ジャパンダイジェスト

空き倉庫の再活用例 - 巨大ジャングルジムの子供の国

ライプツィヒ東部の幹線道路トルガウアー通りを北上すると、高速道路A14に繋がる一帯に工業地が広がっています。一番大きいのは、2006年に開業したアマゾンの集積センターで、広さはサッカー場11個分の7万5000平米あり、およそ1900人の従業員が働いています。さらに同じ通りの並びには、ヘルムホルツ環境研究所や国立バイオマス研究所など、再生可能エネルギーを中心とした知識産業の拠点も増えてきています。それらの業務地区を進んだ先には、隣町のタオハ(Taucha)があります。ライプツィヒから東北へおよそ8キロ離れた人口約1万5000人の小さな街です。街の中心には川が流れており、環境保護区に指定されています。豊かな自然とこじんまりとした中世からの街並みのため、週末には近郊から散歩に訪れる人が多くいます。

トルガウアー通りを北上して高速道路A14を過ぎると名前がライプツィヒ通りに変わり、そこがタオハの入り口で、幹線道路沿いのがらんとした空き倉庫の一つに、子供たちが楽しげにはしゃぐ声が響き渡る場所があります。

ゴム状の山を登る巨大滑り台
ゴム状の山を登る巨大滑り台

25メートルの長さで8メートルの天井高のある2800平米の「子供の国 (Kinderland)」の大きなホールには、巨大ジャングルジム、大きな滑り台、トランポリン、ゴーカートなど子供たちが熱狂する遊び場が用意されています。大人が登っても躊躇するような高さですが、至る所に「子供への注意は親の責任」という張り紙があり、さすが自己責任の国ドイツ。小さな頃から「危ない」という感覚を養うのも重要なのではと、2人の子供を連れてポジティブに体験してきました。施設内のレストランでは、子供たちが好きなフライドポテ トなどのスナックが用意されていて、適度に休憩を取りながら、遊びに夢中になれる場所です。親たちは、遊んでいる子供たちがいつでも目にとまるように脇のテーブルでコーヒーを飲みながらまったり過ごすことができます。

高さ8メートルのジャングルジム
高さ8メートルのジャングルジム

ここは、誕生日会の会場としても人気があり、飲み物や軽食を人数に合わせて準備してくれます。

周辺に住宅があるわけではないので、子供たちの遊び声が迷惑とされることもなく、高い天井とだだっ広いかつての倉庫を再活用する例としては成功していると思いました。

子供の国:www.kinderland-leipzig.de
住所:Jubischstr.1,04425 Taucha
入場料:大人5ユーロ、子供9ユーロ

ミンクス 典子
ドイツ建築家協会認定建築家。福岡県出身。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の設計事務所に所属し、10年から「ミンクス・アーキテクツ」主宰。11年より日独文化交流拠点ライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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