ジャパンダイジェスト

山歩きの季節到来!初夏のアルプスを歩こう

皆さん、初めまして。今回から私の街のレポーターのミュンヘンを担当させていただきます、神田浩一郎です。私の大好きなミュンヘンの魅力や見どころをお伝えできることを、とても楽しみにしています。今回は私のライフワークの一つ、ミュンヘン近郊のドイツアルプスの山歩きについてご紹介したいと思います。

日本では、「登山」「トレッキング」「ハイキング」と、歩く場所や標高、距離、難易度によってさまざまな山歩きの呼び方がありますが、ドイツ語では「Wandern」(ヴァンデルン)のみ。一部の難しい登山を呼ぶ「Bergsteig」「Klettersteig」などを除いて、ドイツ人はこの一言で山歩きを表現します。

ミュンヘンはドイツアルプスの北80キロに位置し、車や電車を使って1時間も行けば山の入り口までたどり着けます。ミュンヘンっ子にとって山歩きとは、週末に家族でハイキングに出掛けたり、夏休みに山の上や湖沿いにある休暇用の別荘(Ferienhaus)や山小屋(Hütte)で家族や友人とゆっくり過ごしたりするなど、より生活に密着したアクティビティー。かくいう私もアルプスの美しさに魅了され、ついにはミュンヘンに移住して今に至ります。

美しい山小屋「Rotwandhaus」と放牧された牛たち美しい山小屋「Rotwandhaus」と放牧された牛たち

そんなドイツアルプスの素晴らしさを私流にご紹介します。まずは、その日の気分で選べる多彩なコース。ドイツアルペン協会(DAV)が管理する無数のハイキングコースの中から、360度の大パノラマを眺めたり、渓谷や滝、湖沿いを歩いたり、放牧された牛や羊と一緒に牧歌的な雰囲気の中をお散歩したりと、さまざまな楽しみ方ができます。ハイキング道には難易度や行き先までの歩行時間が記された標識が設置されているので初心者にもフレンドリー。また多くのハイキングコースにはリフトが設置されていて、リフトを併用した無理のない山歩きを楽しめます。

ドイツとオーストリアの国境線上を歩くFellhornでのハイキングドイツとオーストリアの国境線上を歩くFellhornでのハイキング

二つ目は、山小屋での食事! ハイキングコース沿いには必ずといっていいほどレストラン併設の山小屋が点在しており、5月中旬~9月にかけてのハイシーズンはハイキング客でにぎわいます。そこではSchweinebraten(ドイツのローストポーク)などの伝統的なバイエルン料理から、イタリア料理やオーストリア料理まで、そこでしか味わえない食事やデザートを堪能できます。もちろん冷えた生ビールも最高ですよ。

特におすすめは、シュピッツィング湖(Spitzingsee)のロープウェイを降りてから歩いて2時間ほどで行ける美しい山小屋「Rotwanthaus」で味わう、カイザーシュマーレン(Kaiserschmarrn)というバイエルン州のホットケーキです。アツアツの鉄板で焼いたホットケーキにレーズンとラム酒がアクセントとなって、ここは天国なの? と錯覚するほどのおいしさ。

おいしい食事で有名なシュピッツィング湖の山小屋「Oberfirstalm」おいしい食事で有名なシュピッツィング湖の山小屋「Oberfirstalm」

このようにドイツのハイキングは特別な装備なく楽しめますので、皆さんも初夏の風が心地よいアルプスをぜひ満喫してみてくださいね。

神田 浩一郎(かんだ こういちろう)
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou

 
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