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マリエン広場のクリスマスツリー 20年越しの思いを乗せて

今年も楽しみにしていたクリスマスマーケットが始まりましたね。ミュンヘン新市庁舎前のマリエン広場では、毎年ミュンヘン最大のクリスマスマーケット「Münchner Christkindlmarkt」が開催されます。今回は、そのシンボルともいえる約3000個の電球に彩られた大きなクリスマスツリーの「Christbaum」についてご紹介します。

設置されるのを待つもみの木と、木に取り付けられるプレート設置されるのを待つもみの木と、木に取り付けられるプレート

クリスマスマーケットの開催期間中、約1カ月もの間マリエン広場に設置されるクリスマスツリー。毎年ミュンヘン近郊の選ばれた一つの村が寄贈することになっており、11月中旬に伐採されてミュンヘンに運ばれ、広場に設置されます。今年はミュンヘンから車で南に約50キロのところにある小さな村、ケーニヒスドルフが選ばれました。なんと最初の申請から20年、ようやく念願の寄贈となり、村中が沸き立ったそうです。今回、もみの木の伐採から設置まで立ち会う機会に恵まれました。

村のキャンプ場があるビビ湖畔で約50年もの間、キャンパーたちを夏の日差しから守ってきた高さ25メートルのもみの木。11月7日の午前中、村の関係者が見守るなか、クレーンでつり下げられた姿で丁寧に伐採されました。次の日の早朝にミュンヘンに向けて出発するまでの間、運搬車に乗せられたもみの木を護衛するため、村の人びとが夜通し交代でもみの木を守ります。地元の人たちのこれまでの努力や思いが伝わり、とても感慨深いものがありました。

マリエン広場の宙を舞うもみの木マリエン広場の宙を舞うもみの木

次の日の早朝4時過ぎに村を出発したもみの木は、警察や消防の護衛と共に6時過ぎのまだ薄暗いマリエン広場に到着し、その雄大な姿を見せました。ケーニヒスドルフからも関係者約20人が同行し、自分たちの木が設置されるのを固唾を呑んで見守ります。

到着から約1時間後、クレーンにつるされたもみの木はマリエン広場の宙を舞い、そして広場の一番目立つ場所に設置されました。大歓声に包まれた後、安堵の表情を浮かべる村の人々がとても印象的でした。

ケーニヒスドルフのおしゃれなカップケーニヒスドルフのおしゃれなカップ

毎年選ばれた村はクリスマスマーケット開催期間中、Christbaumの裏側にある市庁舎中庭の一角に出店できることになっています。村のかわいいロゴが入ったマグカップでグリューワインを提供したり、その村の特産物を販売したりしています。今回、ケーニヒスドルフからも村のスポーツクラブや消防団など約120の団体を含む多くの人たちがボランティアで村から駆けつけ、毎日販売ブースに立つようです。ぜひChristbaumを眺めて村の人々へ思いをはせながら、オリジナルのマグカップでおいしいグリューワイン(私はラム酒入りが好物です)を楽しんではいかがでしょうか。

神田 浩一郎(かんだ こういちろう)
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou

 
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