今回は、私が2年前から役員としてお手伝いさせていただいている「ミュンヘン日本人会」をご紹介します。今から45年前、現在のように企業の駐在員も少ないころ、国際結婚移住者や学者、学生、音楽家、個人事業者、企業の社員たちが集い、ミュンヘン日本人会は産声を上げました。当時はインターネットもカラオケも日本食材店もなかった時代。日本から遠く離れたミュンヘンの地に日本人が集う場所ができたことは、当時の人たちにとってどれだけ心強かったかと想像できます。創立総会では、ミュンヘン日本国総領事を含む約120名の日本人が出席し、有志でのコーラスグループ(後の日本人会女声コーラス部)によって日本の歌が披露されるなど、大変盛り上がったそうです。
ミュンヘン日本人会発足当時の最初の会報(1979年5月)
それ以降、映画観賞会や運動会、日本人音楽家によるコンサートなども定期的に行われ、在独邦人が集い、日本人の「心」を感じられる場として重要な役割を果たしてきました。時は流れ、現在ミュンヘン日本人会は法人会員112社、個人会員183名(24年11月時点)と大きく成長。日本とドイツ、および会員同士の親睦・交流を促進する役割を担っています。
先日、日本人会主催の主要イベントの一つである「慈善バザー」が、ミュンヘン日本人国際学校で行われました。私たちが住む街ミュンヘンに対する感謝や、在独邦人社会への貢献を目的として行われる慈善バザーは、ミュンヘンの日本食店や雑貨店などが一堂に会し、ミュンヘンに住む多くの日本人が毎年楽しみにしているイベント。バザーの収益金は、日本人国際学校や日本語補習授業校、慈善団体に寄付されます。
慈善バザーに集ったボランティアと運営メンバー
今年は子どもたちに楽しんでもらえるテーマパークのような空間を目指し、半年前から準備を進めてきました。日本人国際学校の保護者会が中心となって作り上げたゲームコーナーや、手作りアクセサリーのワークショップに手芸品の数々。そして日本語補習授業校の保護者からは恒例の焼き菓子を。プロによるクラシック音楽の演奏や、ミュージシャンによる歌唱、K-POPダンサーを迎えてのワークショップなど、子どもたちが楽しめるイベントが盛りだくさんで、終始子どもたちの笑顔が絶えませんでした。そして何より、会場を貸していただいた日本人国際学校の先生・事務局の方々の協力なしには実現できませんでした。このようにミュンヘンに住む多くの日本人と企業、総勢140名のボランティアに支えられ、大成功を収めた慈善バザー。改めて日本人会が多くの人に支えられていることや、日本人会の役割を実感した一日でした。
:Duo Fantasiaの親子で楽しめるクラシックコンサート「五線譜の舞踏会」
バザーの次の週末には、日本人国際学校創立30周年記念式典が行われました。そして来年は日本語補習授業校が50周年を迎えます。これまで日本人の先輩方がミュンヘンで築いてきた社会や絆を、少しでもつないでいくお手伝いができればと思います。
ミュンヘン日本人会インスタグラム:@japanclub.munich
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou