Hanacell

ミュンヘン夏の風物詩

今年も夏の訪れとともに、ミュンヘンにTollwood がやってきました。1988年から始まったこのお祭りは、またの名をサマーフェスティバルと言い、ミュンヘンの夏の風物詩になっている芸術祭です。今年は、6月18日から7月12日まで開催されました。昨年夏に初めて行って、このお祭りの不思議な世界に魅了されてしまった私は、今年も足しげく通いました。

会場となったオリンピアパーク南側の広場には、巨大テントとステージを囲むように雑貨や食べ物を売る屋台がずらりと並び、有形無形の芸術がギュッと詰め込まれていました。新進気鋭の芸術家たちによる雑貨や洋服を売る店は、どれもお洒落で独創的です。奥へ進むにつれ、エスニックの香りがする店が多くなります。オープン・カフェでは沢山の人たちが夏の日差しの下、気持ち良さそうにくつろいでいて、まるでアジアン・リゾートのような雰囲気でした。

日本庭園
ドイツ人に人気の日本庭園。緑の木がピンクに染まり、まるで夜桜のよう

ステージでは、日替わりでアクロバティックや生演奏などのパフォーマンスが披露されていました。ほとんどのステージが入場無料といっても侮ることなかれ! 質の高いパフォーマンスで観る者の心を釘付けにします。しかも、凄いのは技だけではありません。しっかりと観客の笑いも取っていました。

日が落ちると、お祭りの表情は一転します。夜の帳の中で屋台の灯りがキラキラと煌めき、小さなランプの下で手招きしてくるアクセサリー屋は、まるで魔法のアイテムを売る店のような怪しさです。アラビアのバザールをイメージした大きなテントでは、鐘や弦の音に混じって水タバコの甘ったるい香りが漂っていました。

私のお気に入りの過ごし方は、アンデックスビールのテントでビールを買い、丘の上で夕涼みをすることです。丘の上に立つ荒木造りの鳥居は、日没とともに青白くライトアップされ、幽玄な姿へと変わります。お祭りの灯りを眺め、友人らと語り合いながら飲むビールの美味しさは、何物にも代えがたい情緒がありました。

酔い覚ましに会場内をそぞろ歩けば、歩みを進めるたびに目の前に現れては消える不思議な光景。記憶の断片をつなぎ合わせたように混沌として、怪しくも儚い真夏の夜の夢のようでした。

このお祭りは毎年2回、夏と冬に開催されています。2009年冬のTollwood は11月25日から12月31日まで、オクトーバーフェストと同じテレージエンヴィーゼで開催されます。冬はどんな夢を見せてくれるのでしょうか? www.tollwood.de

鳥居の下での夕涼み
鳥居の下での夕涼みは、極上のひと時です

コウゴ アヤコ
日本地ビール協会ビアテイスター。日本での7年間の看護師生活の間にビールの魅力に取り付かれ渡独する。現在はミュンヘンに拠点を置いて美味しい情報を発信中。「ビアテイスターのドイツビール&ワイン紀行」http://gogorinreise.blog34.fc2.com/
 
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