突然ですが皆さん、チーズはお好きですか? スーパーのチーズ売り場にはたくさんの種類が並んでいますが、行列ができている売り場で何度も試食は頼めないし……と常々思っていた私は、不本意ながら手頃なパック詰めのものばかりを買っていました。しかし、そんな折に嬉しいイベントを発見! ミュンヘンの南約60キロメートルに位置するバート・テルツ(Bad Tölz)のチーズ・フェスティバルです。ここでは心置きなく試食ができると聞き、昨年行ってきました。今年は6月24日(金)~ 26日(日)に開催されるこのお祭りを、皆さんにご紹介しましょう。
お祭りの場所は、街中のクアパーク(Kurpark)とルードヴィヒスプロムナーデ(Ludwigspromnade)の一帯です。入り口で入場券を購入して中に入ると、クリスマスマーケットを思わせる50以上の屋台がずらり。地元バイエルンを中心に、オーストリアやスイス、イタリア、フランスなどからも伝統的な製法を受け継ぐ個人経営のお店が出店し、高品質なチーズを直売しています。
私は昨年訪れたとき、最初は手当たり次第に試食をしました。すると、ヤギのチーズは臭すぎる、カビ系もたくさん食べるほど好きじゃない、私の好みは臭みが強くなく、かつ濃厚な味わいのハードチーズなのだと、だんだん分かってきました。いろいろ試した結果、「ベルク・ケーゼ(Berg Käse)」という、もともとアルプス地方で作られていたチーズとパルメザン風の塩味の強いものが気に入りました。
緑がまぶしい会場内を散策しながら、
チーズや飲み物を楽しめます
熟成期間や製造者のレシピによって味に違いが出るチーズ。中にはなんと、表面に牧草をまぶしているものまでありました! 「香りが良いのよ~」と勧められて試食しましたが、牧草が付いたまま食べるので、なんだか牛になったような気分です。さらに、良い香りにつられて行列ができている屋台に近寄ってみると、大きなチーズの塊を炙って溶かし、パンに付けて食べる伝統的な「ラクレット」を実演販売中。「アルプスの少女ハイジ」を連想しながら、私も行列に並んで一切れ買いました。見た目も食欲をそそりますが、とろりとしたアツアツのチーズの味は最高です!
フェスティバルの醍醐味は、やはり試食!?
会場にはハムやサラミ、焼きたてパン、ビール、ワインもあり、買って食べ歩きができます。また、今年は日独交流150周年を記念して「酒とチーズ」というテーマで日本酒との組み合わせを楽しめるコーナーも企画されているそうです。
Käsefestival
Herderpark, Ludwigstr.14, 83646 Bad Tölz
入場料:5ユーロ
www.kaesefestival.de
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。