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ブレードナイト in ミュンヘン

毎年5月から9月初頭の月曜の夜、ミュンヘン市内のストリートはインラインスケーターのパラダイスになります。夏の風物詩となったブレードナイト(Blade Night)が開催されるのです(雨天中止)。同様のイベントはドイツ各地で開催されていますが、ミュンヘンのものは欧州最大規模を誇るそうです。大勢のスケーターが車両通行止めとなった夜のミュンヘンの広いメインストリートを駆け抜ける光景を見ていると、なんだかちょっと不思議な、まるで近未来にいるかのような感覚が引き起こされます。

ミュンヘンの大通りに出現する、不思議な光景
ミュンヘンの大通りに出現する、不思議な光景

スタートとゴール地点は、オクトーバーフェストが開催されるテレジエンヴィーゼ(Theresienwiese)近くの交通センター(Verkehrszentrum)と旧会議場(Alte Kongresshalle)に挟まれた広場です。何回参加しても楽しめるように、コースはニンフェンブルク地区、シュヴァービング地区、動物園周辺の3コースが用意されています。開催日によって、そのうちの1つが走行可能となります。スタート時間は21:00ですが、広場は19:00からオープンしていて、続々と集まってくるスケーターたちが思い思いの時間を過ごし、これから始まるイベントを大いにエンジョイしようとしている雰囲気が伝わってきます。

さて、何千人ものスケーターが一緒に走るのですから、楽しく安全に走るために、いくつかの注意事項があります。まず、超初心者の方の参加はお勧めできません。最低限、道路の状況に合わせた安全な走行とブレーキ操作ができなければならないからです。そして、テクニックに合った安全装備を用意してください。また、ゆっくり走りたい人は先に、早く走りたい上級者は後からスタートするのがルールです。なお、参加者はアルコール厳禁です! ゴールが閉鎖されるのは23:00で、その時間までに間に合いそうもない場合は無理せず、途中でリタイヤもOKです。

夜の中をひた走るスケーターたち
夜の中をひた走るスケーターたち

コースには、随所に「ブレードガード」と呼ばれるボランティアのサポーターがいて、サポートが必要なときはいつでもコンタクトできます。ブレードガードが必要数に達しない場合は、安全のためにコースが短縮されることもあるようで、主催者は常に新たな希望者を募集しています。サポーターとして参加するには、インラインスケートの経験が十分あることと、トレーニングを受ける必要があります。ボランティアを希望する方は、ぜひホームページをご覧になってみてください。

イベント主催者は、1990年に設立されたミュンヘン最大の環境保護組織 GreenCity e.V.です。都市交通、持続可能な都市デザイン、環境教育などの分野で環境保護活動を展開し、緑溢れる、人に優しいミュンヘンを目指している団体です。

今年の最終開催日は9月7日。夏の夜長、夕涼みがてら楽しんでみてはいかがでしょうか。

AOK ブレードナイト: www.aok-bladenight.de
ブレードガードの応募: www.bladeguardseite.de
ドイツ各地のブレードナイト情報: www.skating.schmarje.net/blade_nights.htm

Yoshie Utsumi
日独の自動車部品会社での営業・マーケティング部門勤務を経て、現在はフリーランスで 通訳・市場調査を行う。サイエンスマーケティング修士。夫と猫3匹と暮らし、ヨガを楽しむ。 2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。
 
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