10月のある日、パリ五輪レスリング競技男子グレコローマン77キロ級の金メダリストである日下尚選手がカールスルーエ日本語学校を訪れ、在校生との交流会が開催されました。金メダルを胸に掲げた爽やかな日下選手が登場すると、日本国旗を手にした子どもたちの歓声と拍手で会場が沸きます。高宮理事長からの祝福と歓迎のあいさつに続き、日下選手が日々のトレーニングやレスリングの魅力について話してくれました。
世界チャンピオンは強くて優しい好青年でした
日下選手は日本のチームに所属しながら、ドイツのレスリングブンデスリーガ1部のSV Germania 04Weingartenの選手としても各地の試合に出場しています。ドイツのレスリングの試合は、ファンがマットの直近(ほぼ選手目線)で観戦できるので、日本の会場では味わえない臨場感があります。また、個人競技であるレスリングをチームスポーツとして楽しめる点も、ドイツレスリング界の魅力なのだそうです。
小1チームが相撲で挑みます
今回の交流会では、3歳からレスリングを始めた日下選手が、これまでレスリングを続けるに当たってどんな困難を乗り越えてきたのかについて語ってくれました。挑戦を続けた先に広がった世界や未来の可能性について、子どもだけでなく大人の心にも響く話ばかりでした。「メダルを持ってみますか?」というサプライズオファーに、会場にいた人たちの胸が高鳴りました。そして小さい子から順に、全員が金メダルを手にする機会をいただくことに。私も恐る恐る持たせてもらいましたが、メダルの重さに加えて、獲得に至るまでの想いや努力がずっしりと詰まっているようで、触れてみて胸がいっぱいになりました。
その後のクイズ大会では、日下選手からのクイズに全問正解した小学生に、パリ五輪優勝の記念タオルがプレゼントされました。日下選手にタオルにサインをしてもらうと、受け取った親子はとてもうれしそうでした。お次は相撲大会が行われます。日下選手も楽しそうに子どもたちと戯れていました。ドイツ人のパパたちが挑戦した腕相撲大会もありましたが、もちろん日下選手が圧勝。これが金メダリストなんだ! とみんな納得した様子でした。
全問正解おめでとう!タオルにサインをもらいました
実は、日下選手はその前週に東京ドームで行われた「クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ」の巨人対DeNA戦で、3万人の観客を前にして始球式を務めたばかり。その時のことを「普段の試合では緊張しないけれど、さすがにこれには緊張しました」と笑いながら話してくれました。実は幼少期から生粋のジャイアンツファンなのだそうです。
今回の交流会の様子は、地元のテレビ局バーデンTVのインターネットサイトでも配信されています。子どもたちと日下選手の交流をぜひご覧ください。
日下選手のインスタグラム:@naokusaka77
おんせん県出身。ドイツ人の夫と二人の子どもと日独いいとこどりの暮らし。 昼間はリロケーションサポートのお仕事。趣味は夜な夜な糀作り。とある村の朝の風景をインスタグラムで発信中。
Instagram:@takako_miyabi_deutschland