イースター・マーケットが開かれると友人に聞き、シュトゥットガルト北西のマウルブロンに行ってきました。事前に下調べをして行かなかったのですが、到着して初めて、友人からマーケットの開催場所は世界遺産のマウルブロン修道院の中庭だと知らされ、びっくりしました。私が着いたとき、中庭はすでに多くの買い物客で賑わっていました。各スタンドでは手編みの藤かごやデザインバッグ、アクセサリー、陶磁器などが売られています。季節は違うものの、雰囲気は若干クリスマスマーケットに似ていました。
マウルブロン修道院のイースター・マーケットにて
マーケットを一周した後、修道院のいくつかの建物を外から見学しました。マウルブロン修道院が設立されたのは1147年。当時のこの地域の経済、社会、政治の中心として建てられました。その後、13世紀には診療所、食堂、貯蔵室、エントランスホール、集会場、南の回廊、鍛冶場、宿泊所、桶工場、製粉所、礼拝堂といった様々な建屋が増築されました。さらに、14世紀に北、西、東の回廊が建てられ、修道院とその付属施設は壁と堀で完全に囲まれました。建設期間が長かったことから、ロマネスクから後期ゴシックまで、様々なスタイルの建物が見受けられます。
裏山からの眺望
マウルブロン修道院は、北アルプスに残る中世の修道院の中で、建造物群および水利設備などが最も良い状態で保存されており、1993年にユネスコの世界遺産に登録されました。また、ドイツを代表する作家へルマン・ヘッセもこの修道院の神学校に通ったことがあり、彼の有名な小説『車輪の下(Unterm Rad)』の舞台はまさにここだと言われています。
そして何より、普段からよく食べている郷土料理のマウルタッシェ(ドイツ風餃子)は、このマウルブロン修道院の修道士によって発明されたのだとか。豊かな歴史の中に、意外と身近なつながりがあるのですね。城壁の建物の一部は現在、いくつかのレストランと警察署、マウルブロン市庁舎として使われています。修道院の建物の中には、今も福音派の全寮制学校が入っています。
また、修道院外の墓地とTiefer Seeという湖をつなぐハイキングコースもお勧めです。裏山のぶどう畑から修道院を望む景色は素晴らしく、夏なら、TieferSeeで泳ぐこともできます。シュトゥットガルトからの日帰り観光にぴったりのスポットです。
修道院見学: 3~1月 9:00~17:30、11~2月 9:30~17:00
アクセス: シュトゥットガルトから電車でミュールアッカー(Mühlacker)駅まで行き、
そこからバス(700番)でマウルブロンへ(約70分)。