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坪井由美子(つぼいゆみこ):在独食いしん坊ライター。観光地から穴場の面白スポット、ライフスタイルまでリアルなドイツと欧州の食文化をAll Aboutほかさまざまなメディアで執筆。ツイッターで「美味しいドイツ」をほぼ日発信中。https://twitter.com/realdoitsu

検索ワード8 「Kreißsaalführung(分娩室見学)」

検索ワード8
「Kreißsaalführung(分娩室見学)」

ドイツ語単語

・Kreißsaalführung:分娩室見学
・Kreißsaal:分娩室 Krankenhaus:病院
・Geburtshaus:助産院
・Hausgeburt:自宅出産
・Natürliche Geburt:自然分娩
・Wassergeburt:水中分娩
・Periduralanästhesie(PDA): 硬膜外麻酔

日本では、「妊婦検診を行う産婦人科=出産する病院」というのが一般的で、かなり早い段階で出産する病院の分娩予約を行う。

一方のドイツでは、「妊婦検診を行う産婦人科≠出産する病院」と、妊娠期間中のケアと出産前後のケアは別々の病院が担当する。妊婦を受け入れる病院がスムーズにお産をサポートできるよう、母親手帳(Mutterpass)は妊婦と赤ちゃんの詳細情報が記されたカルテの役割を果たす。これがあれば、ドイツ国内どこの病院でも安心して出産できるという、妊婦にとってはまさに「安産のお守り」。肌身離さず持ち歩くべきものなのだ。

さて、その病院探しよりも先にヘバメ(Hebamme、助産師)探しをしましょうというのが、前回のお話。それでは、病院での分娩予約はどのくらいのタイミングですべきか? というと、だいたい出産予定日の1カ月前で良いとのこと。

分娩室見学
イラスト:shoko Maeda-schmidt

1カ月前というのは、正産期(妊娠37週から41週)に入る頃のこと。それより前に出産の兆候が見られた場合は、早産児の受け入れが可能な小児科併設の病院にて産むことになる。このケースではもちろん予約は不要。

さて、出産準備の一環として、正産期に産まれることを想定し、妊娠中~後期には「Kreißsaalführung(分娩室見学)」に参加した。実際に分娩室や入院病棟を見学して、病院のスタッフから話を聞く会が、各病院で開かれている。

初めて見る分娩室は、パステルカラーの壁紙や家具が置かれた、子ども部屋のような明るく温かい雰囲気。「分娩室」という言葉から、もっと緊迫した、オペ室のような空間をイメージしていたので、単純に驚いた。ドイツでは、陣痛室と分娩室を分けていないので、基本的には妊娠の兆候が確認され、入院が決まったらすぐに分娩室に案内され、この部屋の中で長い(かもしれない)陣痛を耐え、出産を迎えるのだ。

そのため、陣痛をやり過ごすための様々なアイテムが置かれている。天井からぶら下がっている紐、バランスボール、穴の開いた不思議な形の椅子、水中分娩用の大きなお風呂・・・説明を聞きながら見学していると、隣の分娩室からはまさに今、陣痛を耐えている妊婦のうなり声が聞こえてきたりして、ドキドキする。

妊婦が自分に適した姿勢を探しながら、子どもを産むフリースタイルな自然分娩がドイツでは主流となっている。分娩の際にベッドを使わなくても良いのよ、などなど説明を受けても、その時を迎えたことのない私にはなかなかピンと来ない。ただ、もやもや漠然としていた出産の風景が、もう少し明確になり、どういうお産を望むのかという、バースプランについて具体的に考えるきっかけとなったことが収穫だった。

病院選びのポイント

  • 自宅からの距離(近い方が入退院は楽)
  • 分娩方法の選択肢(水中分娩は対応可能な病院とそうでない病院がある)
  • リスク出産に対応しているかどうか(小児科や集中治療室の有無)
  • 病院(分娩室や入院病棟)や、スタッフの雰囲気(最後の決め手はこれ!)
  • 産後の母乳育児に対する指導の積極性(母乳育児を希望する場合)

※その他、助産院や自宅分娩など、特別な希望がある場合は、助産師などと要相談

次回、「Kita suchen(保育園探し)」。妊娠中から産後の心配も尽きません。ドイツでも待機児童問題は深刻で・・・。



最終更新 Dienstag, 06 Oktober 2015 09:56  
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