ドイツ三大クリスマスマーケットで職人技の白ビール
バイエルン州第二の都市、ニュルンベルク。旧市街地は古城カイザーブルクと全長5kmにわたる城壁に囲まれ、おとぎ話の世界のような中世の雰囲気だ。これからのアドベント期間、観光客のお目当てはドイツ三大クリスマスマーケットの一つ、ニュルンベルクのChristkindlesmarktだろう。メイン会場の中央広場には、古い仕掛け時計を持つ聖母教会を背景に露店が並ぶ。2018年は11月30日から12月24日まで開催予定だ。
ニュルンベルクはワーグナーのオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の舞台にもなった職人の街とだけあって、マーケットで販売されるオーナメントや玩具は緻密で美しい。中央広場で目を引くのは、Schöner Brunnen(美しの泉)だ。選帝侯や英雄、異教徒の彫刻が施された高さ19mの塔で、その鉄柵には職人技である「繋ぎ目のない金色の輪」がはめられている。金の輪には「3回まわす間に願い事を唱え、誰にも打ち明けなければ願いが叶う」というロマンチックな言い伝えがあるので、お試しあれ。別の広場では、移動遊園地が立つ「子どものクリスマスマーケット」や、中国やキューバなどの「姉妹都市マーケット」が開かれ、街全体でクリスマス前の心を高鳴らせてくれる。
歩き疲れたら街の名物、小ぶりな焼ソーセージNürnberger Rostbratwurstを食べよう。同じく街のビール「Tucher helles hefe Weizen」を合わせたい。この醸造所は1672年にヴァイツェン専門の醸造所として設立され、バイエルンの王族所有を経て1855年に名家Tucher家の所有に。その後、所有者が転々と変わるが、名家の名と職人による伝統的な味わいはそのまま引き継がれている。
バナナを連想させるフルーティーな甘みと若干のスパイシーさは、ソーセージの脂っぽさをすっきりさせてくれる。もう一度、マーケットへと繰り出す元気をくれそうな、まろやかなビールだ。