学校制度の構図に大きな変化
ハウプトシューレが大幅に減少
連邦統計庁が4月24日発表した調査結果で、過去10年間で国内の学校教育制度の構図に大きな変化がみられることが明らかになった。ヴェルト紙が伝えた。
同調査によると、義務教育課程のみを提供するハウプトシューレの数が過去10年で大きく減少し、これに代わってゲザムトシューレと呼ばれる総合学校が増加。その代表的な存在として知られるヴァルドルフシューレに人気が集まっているという。国内にある学校の数は、2013年時点で3万4400校。過去10年で閉鎖となった学校の数は6100校で、15%減少した計算になる。中でも、ハウプトシューレの3校に1校が閉校となっており、レアルシューレ(実科学校)も16%が閉鎖されている。
2012/13年度に新たに小学校に入学した児童の数は68万7800人で、10年前と比較すると11万7000人減少している。特に、旧西ドイツ地域での児童数の減少が顕著で、ザールラント州では減少率が27%、ラインラント=プファルツ州では23%となっている。これに対して旧東ドイツ州では児童数が安定しており、ザクセン州では25%の増加を示している。
大学進学を前提としないハウプトシューレおよびレアルシューレの減少傾向が際立っている一方で、ギムナジウムの生徒数は増加傾向にある。10年前には、ギムナジウム進学者は全生徒数の30.7%だったが、現在は34.4%に上昇。ギムナジウムの学校数自体は、10年間でわずかに減少しているにもかかわらず、ギムナジウムに通う生徒数は、ニーダーザクセン州では14,5%、ザクセン=アンハルト州では13.2%と、高い増加を示している。
また、ブランデンブルク州では、私立学校の割合が増加傾向にあり、同州の私立学校の数はベルリンと比べて約2倍、学校全体の中に占める割合は10年前の4.7%から9.3%へと増加している。
これら一連の変化の大きな要因として挙げられるのは、社会民主党(SPD)と緑の党の前政権による「すべての人に学校教育を」と謳った教育政策で、これにより、ハウプトシューレやレアルシューレに代わってゲザムトシューレの創設が推進されたことにあるとみられている。