再生可能エネルギー改正法案を閣議決定
製造業への賦課金減免措置を継続へ
連邦政府は8日、再生可能エネルギー法(EEG)の改正案を閣議決定し、数億ユーロに上る製造業への賦課金減免措置の継続を決めた。ヴェルト紙が伝えた。
大量の電力消費を必要とするメーカーに対しては、エネルギー転換に伴う再生可能エネルギー促進のための賦課金の負担を減らすことで国際競争力を保ち、企業のリストラなどを回避することが必須とみられていた。このため、連邦政府は数カ月にわたって協議を重ねたほか、ガブリエル経済相(社会民主党=SPD)は産業界への減免措置に反対していた欧州委員会と交渉を続け、最終的に合意を取り付けた。今回の決定に対して同相は、「連邦政府はエネルギー転換のための新たなスタートを切った。法案改正は急務だった」と述べた。改正法案が施行されれば、電力料金の値上がりに歯止めが掛かる一方で、再生可能エネルギー促進のスピードが抑制されるとみられている。
今回の法案改正に対し、消費者保護機関や野党からは激しい批判の声が上がっている。連邦消費者センター連盟のクラヴィンケル氏は「消費者への裏切りだ」と言明。「連邦政府は消費者より産業界を優先した。産業界が減免措置を受ける分、市民の負担が増す構図になる」と述べた。また、緑の党も「再生可能エネルギー施設の増設における大連立政府の政策は、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)による前政権の政策を下回るレベルだ」と酷評した。このほかにも、改正法案反対派からは「製造業が減免措置を受けることによって生じる51億ユーロがあれば、3人家族が年間180ユーロの電力料金を節約できる」との指摘も上がっている。
ガブリエル経済相は、「産業界がEEGの賦課金を年間74億ユーロ支払うとすれば、これはほかの工業国と比べて負担額が2倍になることを意味する。そうすれば、国際競争力が激しく損なわれる」と述べ、法改正の目的は企業を保護することではなく、雇用の確保であると強調した。閣議決定を受けて鉄鋼業界の代表を務めるケルクホフ氏は、「鉄鋼業が引き続き競争力を保ち、ドイツで製造することができる」とコメント。ドイツ商工会議所(DIHK)およびドイツ産業連盟(BDI)も歓迎の意向を示している。