ジャパンダイジェスト

ツェントルム・ギャラリーがオープン

ドレスデンで最も広い売り場面積6万1000㎡、120店舗を誇るショッピングセンター「ツェントルム・ギャラリー(Centrum Galerie)」が約2年の建設工事期間を経て9月17日、中心街にオープンしました。オープンしたその週だけで約45万6000人が詰め掛け、今も平日に週末並みの賑わいを見せています。

以前、この地にはカールシュタットの別館が建っていました。元々は東ドイツ時代の1978年に完成したデパートで、外壁一面をアルミ製の幾何学的な立体のウロコが覆っているデザインでした。ドレスデンに住み始めた当初、東ドイツ時代に建てられた、いわゆる社会主義建築に違和感を覚えた私に、遊園地の宇宙船のアトラクションを彷彿とさせるシルバーに輝くデザインは理解不能でした。やがてこの跡地利用をめぐるコンペが行われ、多数の案がラムは45分程度で、常時12本ほどのレパートリーが用意されています。これらは「私たちの宇宙の起源を求めて」や「宇宙の最深部へ」などのタイトルで、宇宙や星についての科学的な研究結果を最新の映像スペクタクルを用いて提供してくれます。リクライニングする座席を後方に倒して満天の星空を見上げ、そこからそれぞれの惑星や恒星に近付き、また離れていく様子を見ていると、ショーウィンドウに貼られて一般公開されました。このコンペで勝ったのは、以前ご紹介したレジデンツ城の透明な屋根の設計者でもある建築家ペーター・クルカです。

ツェントルム・ギャラリーがオープン
アルミ製のウロコが特徴の外壁デザイン

アルミ製の外壁デザインはあまりにも強烈で、市民の記憶に鮮明に残っているため、新しい建物の外壁の上部にはこのデザインが復活しました。昔のヨーロッパでは街の成長に応じて市壁を取り壊す際、見張りの塔のみを残すなど、過去の記憶として古い壁跡を存続させることがよくありました。ツェントルム・ギャラリーも、その異彩を放つ外壁を存続させることにより後年、それ以前の建築物をたどるきっかけになることでしょう。

内部はいわゆるショッピングモール形式。階段やエスカレーター、エレベーターのある中央部分が吹抜けになっていて、それを囲むように店が並んでいます。コンペ案には有名ブランドのショップが描かれていたので期待して行ったのですが、実際にはいつもの顔ぶれが揃い、いまひとつ新鮮味に欠ける感じ。それでもスターバックスやケンタッキーなどの店が入っているので、懐かしい味を求めてこれから時々行こうと思います。

特筆すべきは、最上階に幼稚園が併設されていることです。建築家、安藤忠雄は表参道ヒルズの建設に当たり、隣接の小学校を取り込む案を出しましたが、商業施設に子どもの教育の場を入れる案は物議を醸し、結局却下されました。しかし、ハンブルクのハーフェンシティでも幼稚園や児童図書館などがオフィスの只中に計画されており、大人の領域に子どもの領域をあえて組み込むというのは、発想の転換で良い結果をもたらすかもしれません。さらに、3歳から10歳までの子どもを最高3時間預かってくれる無料託児所があるのもこのセンターの魅力です。

ツェントルム・ギャラリーがオープン
開放感のある吹き抜け部分

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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