ジャパンダイジェスト

ドレスデン動物園にブランデス・ハウスがオープン

ドレスデンのセントラルパークとも言えるグローサー・ガルテン(Grosser Garten)の一角に、ドレスデン動物園(Zoo Dresden)があります。一般に公開された動物園としてはヨーロッパで最古のものの1つ。1861年にオープンし、今年で150周年を迎えます。老朽化や展示方法の改良に伴って獣舎が順次新しく建てられている同園で昨年7月、「ワニが引っ越しました」という宣伝文句とともに「ブランデス・ハウス(Prof. Brandes-Haus)」がオープンしました。1910年から34年まで当動物園の園長だったブランデス教授の名前を冠した獣舎には、熱帯地方の動物が集められており、シシオザルやウーリーモンキーやナマケモノ、そしてイリエワニがいます。

中に入ると、外から差し込む自然光と生茂る植物が印象的で、まるで大きなアトリウムを有する都会のオフィスビルのようです。建物の中はスロープと階段が連続しており、様々な角度や高さから動物を見ることができるようになっています。通常、動物園の屋内展示と言えばコンクリートの塊で閉塞感が強く、主に熱帯地方に分布する動物を有する場合が多いので、高い湿度と温度、それに伴う強い臭いのために、お世辞にも気持ちが良いとは言えません。しかし、ブランデス・ハウスはその既成概念を見事に覆してくれます。

ガラス張りの天井
ガラス張りの天井から降り注ぐ自然光。
生茂る緑の中を階段で進みます

階段を上りきったところにあるテラスは開放感に満ちていて、そこから見下ろすと、緑に囲まれたプールで動物園の人気者イリエワニのマックス君が悠然と伸びていました。その先は大きなガラス張りになっていて、園内の風景が借景のように見えます。私は小さな池と柵があるだけの殺風景な彼の以前の住まいを知っているだけに、新居であるこの豪邸に驚きました。

マックス君は、1958年にこの動物園に来た時には体長わずか60cmだったそうですが、現在は体長4.7mで体重430kg。その巨体ゆえ、獣舎の引越しの際には特別仕立ての箱が準備されました。マックス君を見下ろす気持ちの良いテラスのベンチに座ったドイツ人の親子が、握り寿司のお弁当を広げているのを見て、「これは賢い」と思いました。

マックス君の「新居」
ワニのマックス君の「新居」。微動だにしなかったマックス君が、
ちょうどプールの中に入る貴重な瞬間

さて、ブランデス・ハウスの次なる住人として期待がかかっているのがコアラです。これはすでに決定済みのようですが、来園時期については未定とのこと。そして現在、ユキヒョウ舎の建設も進んでいます。新しい動物に新しい獣舎、今後がますます楽しみなドレスデン動物園です。

Zoo Dresden
Tiergartenstraße 1
01219 Dresden

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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