ジャパンダイジェスト

vol 3
問題山積のドイツ生活スタート

ジェイク
アパートの生活音が気になって
安眠できなかった渡独当初

初めての留守番で事件が……

ドイツ到着後、デュッセルドルフの新居に到着したジェイク。初めは落ち着かない様子でしたが、時差や疲れもありいつの間にかぐっすり眠ってしまいました。ところが夜中、小さな物音がするたびに「ワンワンワンワンワンワン!!」と吠えては、ドアの方へ猛ダッシュ。朝が来るまで何度もこの繰り返しでした。さらに翌日には、私がほんの少しドアを閉めて隣の部屋に行くだけでも吠え始め、どこへ行くにも一緒でないとダメ。シャワーもトイレも、ゴミ出しのときも。「飼い主と離れたくない」という不安感で、一時的な分離不安のような状態になってしまったのです。

そんな状態が1週間ほど続いたある日、どうしても夫婦二人とも出かけなくてはならない日がありました。日本では、平日はお留守番犬だったジェイク。一抹の不安を抱えながらも「留守番には慣れているから大丈夫だろう」と、居間とキッチンのスペースで留守番させることにしました。

事件はその翌日、ジェイクを連れて散歩に出ようと玄関のドアを開けたところで起こりました。上の階から降りてきたドイツ人のおばさんが、とても丁寧な英語で、「こんなこと言うのは申し訳ないんだけど、昨日、あなたの犬がずっと吠えていたわよ」と言うではありませんか! おばさんの話によると、通りに面したキッチンの下の方の窓から、人が通るたびに吠えまくっていたそうで、「あなたたち留守にしていたのね? 見ていてかわいそうになってしまったのよ」と。

おとなしく留守番しているとばかり思っていた私は、まるで深い穴に突然突き落とされたような大きなショックを受けました。そして、「かわいそうだった」というおばさんの言葉に、ジェイクをドイツに連れてきたことが正しい選択だったのか? という思いも沸いてきて涙があふれてしまいました。

やっぱりドッグトレーニングが必要!

その日から、私はジェイクが吠えるたびにビクビクし、ときには「うるさい!」と八つ当たりしてしまうことも……。でも、犬だってどうすることもできないのです。住み慣れた場所を離れ、不安な気持ちでいっぱいで、戸惑いの表情を浮かべているのが分かります。おばさんには「I'll do my best.」と答えたものの、どうしたらいいものか? しかも、数日後には夫が20日間の国外出張に出ることが決まっていました。ドイツでは、ほとんどの場所に犬を連れて行けるのですが、スーパーとドラッグストアは例外。このままでは日用品の買い物に出かけることもできません。

さらに、問題は留守番だけではありませんでした。朝夕の散歩では、人や犬とすれ違うたびに攻撃的に吠えかかる始末。ジェイクの吠える声にも全く動じず、落ち着いたドイツの犬と飼い主たちを見るたび、「ジェイクは日本にいたほうが幸せだったんじゃないか。私は本当にダメな飼い主だ」と、どんどん自己嫌悪に陥っていきました。

「ちょっとくらいやんちゃなのも犬のカワイイところ」と思ってジェイクを育ててきたけれど、ドイツでジェイクが幸せに暮らすためには、ドッグトレーニング(犬のしつけ)が必要なんだと強く実感しました。そして、「ドイツには犬の学校がある! まずはそこへ行ってみよう」と決心したのでした。


Jakeジェイクが教える!
ワンコ目線のお役立ちTipp

トリミングサロン
トリミングサロン(イメージ)
ドイツの犬のおしゃれ事情

ドイツでは日本みたいに洋服を着ている犬はあんまり見かけないんだ。服を着ているとめずらしがられて、知らないおばあちゃんに「Süßer!(かわいいわね!)」ってチューされちゃったりする。でも、冬は寒いから暖かそうなセーターやダウンを着ている子もいるよ。洋服を着る代わりに、かっこいい皮の首輪をしている子も多い。犬のおしゃれは首輪からってことかな。

ボクの家の近くにはトリミングサロンがあって、ボクも1カ月に1回行ってるよ。優しいおばさんとおねえさんがシャンプーとカットをしてくれるんだ。日本のカットはキッチリしてるけど、ドイツのカットはナチュラル系。少し伸びてくると無造作ヘアになってカワイイんだ。 料金は35~40ユーロくらいだよ。

 
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