フランクフルトで唯一の日本人サッカーチーム「FCFJ(Football Club Frankfurt Japan)」は、幼稚 園から中学までのキッズサッカースクール「KSS」、中学生以上の「FCFJ」、40歳以上のチーム「四十雀(しじゅうから)」と、幅広い年齢層で活動しています。そんなFCFJの練習におじゃまして、選手の皆さんにお話を伺いました。
「右、右!」「逆サイド空いてるぞ!」グラウンドのあちこちから声が飛びます。年に一度欧州中の日本人サッカーチームが集い、欧州一を決める大会「ユdーロJ」を3週間後に控え、普段は別々に練習するFCFJと四十雀が、この日は合同で練習を行っていました。10代から50代までのメンバーが集まり、紅白戦をしながら試合前の調整をします。
選手同士が声を掛け合い、実践で技術向上を目指しています
サッカー経験者ばかりかと思いきや、「ドイツに来てからサッカーを始めました」と、現FCFJ 代表の早川さん。初心者からでも丁寧に教えてもらえ、やる気次第でどんどんうまくなれるとのこと。セミプロレベルの人から、元ラガーマン、昔サッカーをしていた人まで、それまでのサッカー歴に関わらず、チーム全体でサポートしながら楽しくプレーしています。
「ここまで縦にも横にもつながりが強いチームも珍しいですよね」と語るのは、創設メンバーの成瀬さん。サッカーチームは年齢ごとに独立しがちですが、スポーツで子供たちを育成するキッズスクールの運営から、中学生以上、40歳以上と、すべて同一母体で活動し、一緒に試合に出場したり、試合前に合同練習をしたりしています。普段は毎週金曜の夜にフットサルをしている四十雀は、「体力に自信がなくても室内でゆっくり体を動かせ、練習後の飲み会も楽しい」とキャプテン。サッカーを通じての一期一会を理念に、世代や職場を超えたつながりができるのも、このチームの魅力です。
年齢も経歴も関係なく、一緒にサッカーを楽しむ選手の皆さん
仕事や勉強に追われる毎日でも、毎週のサッカーを楽しみに日常を頑張れると口々に語るメンバー。練習中はひたむきにサッカーに集中し、互いに意見を出して話し合うことでチーム全体を良くしたい、という気概が感じられます。グラウンドの外では、取材に応じて話をする部員のそばから突っ込みを入れたり、冗談を言い合ったりと、本当に仲良く楽しそうな様子。年齢、サッカーの実力、社会的立場を超え、共に励まし合って向上し、何よりも楽しんでサッカーを続けているのが、言葉の端々や生き生きとした表情、グラウンドを駆ける選手の様子からひしひしと伝わってきました。
「誰でも参加できるので、気軽にご連絡ください」と笑顔で語る早川代表。定期的に運動したいと思ったら、ときに厳しく、常に楽しく活動するFCFJでサッカーを始めてみるのはいかがでしょうか。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。