ジャパンダイジェスト

晩秋の自然散策 野生動物に会いに行こう!

「ハンブルクには山がない」と思っている人も多いそうですが、実は山、あります! ハンブルクの南にあるハーブルク地区の郊外から、お隣のニーダ-ザクセン州にかけての「ハーブルク山岳地帯」。海抜155メートルなので山というより丘のようですが、今回はそこの森林地帯にあるシュバルツェベルゲ野生動物園に行ってきました。

シュバルツェベルゲ野生動物園は、ハンブルクからアウトバーンを走って30分くらいのところ。バスもS バーンのハーブルク駅から出ていてアクセスも良く、週末はたくさんの人々でにぎわいます。50ヘクタールの広大な森の中に、オオカミやオオヤマネコ、クマ、トナカイなど、約100種の野生動物が生息しています。その多くは欧州に生息する動物です。

森の中にはたくさんの散策路があり、動物園というより森の中を散策しながら、自由に動き回る動物たちにエサをあげたり、触れ合ったりすることができる場所です。園の中心部には大きな池があり、シカたちがのびやかに行ったり来たり、エサの袋を持った子どもたちのそばに寄って来たりします。時間ごとに飼育係による公開エサやりもあって、その動物についての面白いお話を聞けますよ。さらに運が良ければアライグマたちが、ちゃちゃっとエサを洗う姿に遭遇できるかも。

エサくださーい!エサくださーい!

ちなみに一番の人気者は、ポットベリーピッグというブタさんたち。地面に着くほど垂れ下がったお腹に、顔はくちゃくちゃっとしていて(目はどこにあるのかしら……?)、不思議な愛嬌がありました。園に入った途端、そのブタさんたちがわらわらと無言で出迎えてくれるのです。また、40匹あまりの子ヤギやウサギがいるエリアでは、柵の中に入って自由に動物たちと触れ合うことができます。家族連れに人気なのは、アルパカツアー。アルパカと園内を散歩することができるアトラクションです。猛禽類やワシなどによる飛行ショーも観られます。

コロコロとしたブタさんたちコロコロとしたブタさんたち

動物以外にも、45メートルの高さのエルベ・ビュー・タワ-という展望台があります。ここからハーブルクの山々をはじめ、ハンブルクの港まで見渡せるそうですが、私は高い所が苦手なのでパスしました。そのほかにも子ども向けの特別プログラムや、夜のハイキング、森のガイド付きツアーなども提供されているそう。ファミリ-はもちろん、大人も軽いハイキングコ-スを楽しめるなど、ゆったり自然と触れ合うことができる、まさに癒やしの場所ですね。

神秘的な雰囲気の池神秘的な雰囲気の池

秋も深まり、森にも冬の気配が漂っています。動物たちもこの時期は寒さに備えてたくさん食べて脂肪を増やすそうです。無事に冬を越せますように。落ち葉の上を、カサコソ音を立てながら歩いた野生動物園での一日でした。

岡本 黄子(おかもと きこ)
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
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