カルティエ、ティファニー、ブルガリ、ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメス、フェラガモ――。高級ブティックが軒を連ねるハンブルクの“銀座通り”は「ノイアー・ヴァル(Neuer Wall)」。市内中心部、内アルスター湖を臨むユングフェルンシュティーグ(Jungfernstieg)から市庁舎の方へ伸びる、全長約600メートルの通りです。
ハンブルク出身のデザイナー「ジル・サンダー」ももちろ んこの通りに
“銀座通り”といってもこぢんまりとしていて、周囲の喧噪とは裏腹に、平日はどちらかというとひっそりと落ち着いた感じ。そんな中、目に留まるのが、路上を掃除したり交通整理をしたりしている人々。警備員もいます。彼らは、ノイアー・ヴァル専属のスタッフです。
カナダで約30年前、地区とその地区の不動産所有者、つまり「官」と「民」が協力して街づくりに取り組む地域活性プロジェクト「Business Improvement District(BID)」が導入されました。ノイアー・ヴァルは、このBIDを取り入れたドイツ初の都市内地区。そしてそのBIDスタッフが、お客様に快適にショッピングしてもらおうと、日々サービスにいそしんでいるのです。
通り両側に並ぶ160もの植木鉢に、春はアジサイ、夏はキク、秋冬にはツゲ、と季節に合わせた植物を植えるのも、BIDのプロジェクトの1つ。ノイアー・ヴァルは名実ともに、ぜいたくな通りとなっています。
当地区でのプロジェクトは2005年から本格的にスタートしました。以前は駐輪や違法駐車のほか、街角のゴミ箱などが景観を損なっていたのですが、今はきれいに整理され、歴史的な古い建造物も修復されています。とは言っても、まだまだあちらこちらで工事中。開発への道は続いています。
ところで、ノイアー・ヴァルにあるほとんどの店の営業時間は午後7時まで。ほかのショッピング地域が午後8時まで営業している中、短縮へと時代を逆流しています。これも安売りしない高級志向が成せるわざ、でしょうか?
銀座と似てる?
まだまだ開発中。工事は続く
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?