少し前になりますが、昨年11月、ハンブルク日本人会館でジュエリー展が開かれました。展示されたのは、メクレンブルク=フォアポメルン州在住の鈴木ヴァナー三恵子さんの作品です。鈴木さんは日本の美術大学で洋画を専攻した後、古くから金の産地、金細工の街として知られる南ドイツのプフォルツハイムにある国立金工職業専門学校で金細工を学ばれました。現在は宝飾デザイナー、また金工作家として自身のアトリエを構え、各地でジュエリーの個展を開催しているそうです。この日、鈴木さんは素敵な作品だけでなく、美味しい日本茶とお菓子のサービスで来館者を迎えてくださいました。
今回の展示作品の多くはネックレスでした。鈴木さんが特に力を入れているのは、パールと金細工との組み合わせとのこと。パールは日本の特産品ですし、日本人らしい繊細な細工がドイツ人客には珍しい魅力として喜ばれているそうで、2007年に行われた黒蝶パール・デザインコンテストでは、リング部門で銅賞を受賞されました。また、ドイツでは琥珀のアクセサリーが多く、そのほとんどは「琥珀+銀」という組み合わせですが、彼女はそこをあえて「琥珀+金」にし、これが新感覚のデザインとして注目を集めているそうです。さらに、金細工の一環として留め金に工夫を凝らし、ネックレスとブレスレットに分けて着けたり、一連の長いネックレスにすることができる作品もありました。
パールとたくさんの石を使用したネックレス
展覧会では、どういう部分に作家自身の思い入れがあるのかという説明を聞きながら美しいジュエリーを眺め、忙しい日常から離れて充実した時間を過ごすことができました。また、実際に自分が身に着けるには豪華すぎるジュエリーがほとんどでしたが、美しいものをじっくり観賞して、心の栄養にもなりました。
鈴木さんはジュエリー展に先立ち、昨年9月に、やはりハンブルク日本人会館で手作りビーズアクセサリーの実演講習会を開かれたそうですが、この時は来館者が少なく、後日、知人たちにこの話をしたら、「えー! そんな展示会があったなんて知らなかった!知っていたら私も行きたかった」という声が続出でした。鈴木さんは、「また機会があればハンブルクで講習会やジュエリー展を開きたい」とおっしゃっていましたので、興味のある方は毎月発行の日本人会の案内を気に掛けてチェックしてくださいね。
展示作品と鈴木さん
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?