私の街のレポーター ハンブルク Hamburg

ドイツにある日本食レストランと言えば、普通は見ただけで「あ、ここは日本食レストランだな」と分かるような純和風の内装が多いのではないかと思います。その中で、今年1月20日にハンブルクにオープンしたレストラン「Zipang（ジパング）」は異色の存在。オープンカフェのように通りにテーブルを出し、外から見ると（いえ、中に入っても）まるで日本食レストランには見えません。内装もモダンで、壁に掛かっているのは1960年代くらいのモノクロ映画の写真です。それもそのはず、「日本食レストランの既成イメージを超える」というのがこのレストランのポリシーだそうで、「Zipang」という店名にも「和と洋との出会い」という意図が盛り込まれているようです。

料理長の南さんは、日本とドイツの著名レストランでの20年以上の経験を活かして、「味の基本は和風テイストで、それをドイツ人にも受け入れられるように工夫し、創作料理に挑戦しています」とおっしゃっていました。白と黒を基調とした食器にはこだわりが見られ、盛り付けにも創意工夫が凝らされていてとても素敵です。

店内のモダンな内装

このレストランのさらなる魅力は、ランチタイムがあることです。ハンブルクの日本食レストランでランチメニューを提供しているところは少ないように思います。Zipangのランチメニューには定番のお弁当ボックスやお寿司、カレーライスのほか、日替わりランチがあります。メイン料理（私が行った日はリブステーキ）にご飯、みそ汁、きんぴらごぼう、サラダ、デザートがついて、なんと8ユーロ！ こんなに質の高い料理をこの値段でいただいてしまって良いのでしょうか？ という感じです。

夜になると堂々としたセット・メニューが用意され、高級レストランの面目躍如といったところです。ドイツ人客を意識してか、「日本酒セット」という品があり、3種類の日本酒（各20mlずつ）におつまみ&ミネラルウォーターが付いて、日本酒の味見ができるようになっています。お店のホームページでメニューを見ることができるので、興味を持たれた方は、ぜひご覧になってみてください。おしゃれなエッペンドルフ地区にあるこのレストラン、玉にキズなのは、車で行く場合に駐車スペースを探すのが大変ということでしょうか。

レストランZipangから皆さんへ一言。「料理だけでなく店内の雰囲気も併せ、トータルで楽しんでください」。

Zipang
Eppendorfer Weg 171,
20253 Hamburg
月～土 12:00～15:00、18:00～22:30
www.zipang.de

日替わりランチメニュー

井野 葉由美（いの はゆみ）
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら？