ジャパンダイジェスト

聖ヤコビ教会のタワー・カフェ

ハンブルク中央駅と市庁舎の間にある聖ヤコビ教会。この教会はバロックオルガンの代表的な製作者アルプ・シュニットガーが手掛けたオルガンがあることで有名ですが、最近もう1つ、教会の素敵な顔を発見しました。それは、5~10月の第1土曜日に、地上84mの塔の上でタワー・カフェがオープンすることです。聖ミヒャエリス教会や聖ニコライ教会の塔は常時オープンしていて、塔の上に登ることができますが、聖ヤコビ教会の塔は、普段はクローズしています。それが期間限定で第1土曜の12:00~18:00にオープンするのです。塔の上へは、最初は階段を上り、途中からエレベーターに乗って行きます(身体の不自由な方や年配の方は、最初からエレベーターに乗ることもできます)。エレベーターの使用料は1人1ユーロです。

エルプ・フィルハーモニーと聖カタリネン教会
塔から眺めた建設中のエルプ・フィルハーモニーと聖カタリネン教会

地上84mの展望台に到着すると、いきなり目の前にたくさんのケーキが所狭しと並んでいます。種類も豊富で、どれにしようか迷ってしまうほど。これらのケーキはボランティアの手作りで、給仕をしている方もすべて教会のボランティアだそうです。ケーキの値段は1個50セント~ 3ユーロ、コーヒー、紅茶など飲み物の値段は50セントと、とても良心的。このカフェの売上金とエレベーター使用料は、すべて福祉のた めに寄付され、ハンブルクのホームレス支援や老人ホームなど、毎月異なる用途で使われているそうです。私が訪れた7月は、ホームレスの人々を病院へ運ぶバスの購入に充てられるとのことでした。

この日は生憎の天気だったにもかかわらず、多くの方が訪れ、狭いカフェの中は超満員でした。カフェの部分はガラス張りの構造で外気から遮断されていますが、その外側は吹きさらしの展望台となっています。もちろん金網が張られていて、落ちる心配はないのでご安心を。塔の上からは市庁舎やアルスター湖、建設中のエルプ・フィルハーモニーなどを一望でき、聖ミヒャエリス教会や聖ニコライ教会の塔とはまた違った眺めを楽しめます。カフェを利用しなくても、この展望台に来るだけで十分価値があると思いました。ただ、とても風が強いので要注意。ドアの開閉の際、しっかり支えていないと、ものすごい音でドアが閉まってしまいます。次の第1土曜、天気が良ければ、また出掛けたいと思います。

カフェの入り口に並ぶたくさんのケーキ
カフェの入り口に並ぶたくさんのケーキ

Hauptkirche St. Jacobi,
Jakobikirchhof 22, 20095 Hamburg

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
 
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