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クレーフェンシュテーン野生動物園

ハンブルクで動物園と言えば「ハーゲンベック動物園(Hagenbecks Tierpark)」が有名ですが、今回はここよりも、もっと気軽に行ける入場無料の野生動物園をご紹介しましょう。

ハンブルク最西端のリッセン(Rissen)地区にあるクレーフェンシュテーン野生動物園(Wildgehege Klövensteen)は、「Gehege(柵などで保護されている禁猟地区)」というその名が示す通り、北ドイツの森や草原に生息する野生動物を保護し、飼育しているところです。ここで暮らす動物は、ダマジカやアカシカ、マフロンなどのシカ類、イノシシ、ワシミミズクなどですが、通常の動物園のように狭い檻はなく、広々とした草原や森を動物たちが自由に歩いています。以前は柵もなく、日本の奈良公園のシカのように、エサを求めて人間に近寄って来ていたようです。今は柵が設置されていますが、園内のキオスクで販売されているエサを持って行くと、やはり動物たちが近寄って来ます。シカたちが群れを成して、じっとこちらを見つめている様子から、「見られているのは、もしかしたら人間の方なのかしら?」と思ってしまいました。

シカの一種「マフロン」
シカの一種「マフロン」

園内では、キツツキの木をつつく音が聞こえていましたが、その姿を見ることはできませんでした。私が訪れた日は雪が降っていたこともあり、あまり人出はありませんでしたが、これから少しずつ春が近付くにつれて、幼稚園や小学校低学年の子どもたちの遠足で賑わい始めます。この野生動物園は森林に関する教育を提供する場として、教師のための継続教育機関(Institut für Fortbildung)から支援を受けているため、子どもたちの自然教育にも利用されているのでしょう。

さらに、動物園の奥には自然保護区の湿地帯(Schnaakenmoor)が広がっており、毎年10~2月の冬の間のみ、入場が許可されています。春になると、貴重な渡り鳥が産卵のためにやって来るそうで、その鳥たちを保護するために人の立ち入りは禁止され、この湿地帯は鳥たちの楽園となります。手付かずの自然が残されている湿地帯。その風景の中に浸っていると、しばし日常を忘れ、心をリフレッシュさせることができます。ハンブルクの中心街からさほど離れていない場所で美しい自然が見られるところは、さすがドイツだなと思います。特に、霧がかかっているときのこの湿地帯の風景はとても幻想的で素敵だと友人が言っていました。ただし、広大なので道に迷わないようご用心!

野生動物園の入り口に置かれている大きな岩
野生動物園の入り口に置かれている大きな岩

動物園は1年を通して入場可能。駐車場も十分にあるので、いつでも散歩感覚で出掛けられますよ。

Wespenstieg 1, 22559 Hamburg
www.forst-hamburg.de/wildgehege.htm

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
 
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