春になると、ドイツではキリスト教系の国民の祝日が続きます。その締めくくりが「Pfingsten」といわれる聖霊降臨祭で、この日は各地で特別な礼拝が行われます。また、祝日となっている聖霊降臨祭月曜日は、例年天気が良くなる確率がとても高いらしく、俗に「遠足の日」とも呼ばれているのだとか。それを見越してなのか、この日に野外礼拝が行われるところが多いようです。
会場全体でシャボン玉を飛ばしました
ハンブルク北東30kmにあるバークテハイデ教会もその一つ。毎年近郊のトレムスビュッテル城の庭園にある、野外円形劇場で11時から聖霊降臨祭記念礼拝が行われています。昨年、私も行ってきましたが素晴らしい快晴で雲一つなく、会場は開始30分前にはたくさんの家族連れでにぎわい、すでに座る場所がないほどの盛況でした。1年に一度のこの野外礼拝が、地域の人々に愛されていることがうかがえます。礼拝ですからもちろん牧師のメッセージはあるのですが、そのほかに「50年代のジュークボックス」というバンドの懐メロ演奏があったり、子供たちと会場全体でシャボン玉を飛ばしたりしました。バンド演奏が始まると、年配の方々が体を揺らしながら陽気に歌い始め、まさに「村のお祭り」という雰囲気。普段は厳かなオルガン伴奏による讃美歌も、この日はブラスバンド伴奏で、子供たちも参加できる振付の楽しいものでした。信仰が世代を超えて生活に根付くよう、配慮されているのでしょう。ちなみに、この日ブラスバ ンドの指揮をしていたのは日本人女性でした。
トレムスビュッテル城
礼拝が終わると、お城の中庭に、コーヒー、ケーキ、ソーセージなどが用意されており、残って歓談できるようになっていました。このお城は、現在はホテルとなっていて、宿泊することもできますし、レストランやカフェもあります。特筆すべきは4ヘクタールもあ るイギリス風庭園で、池や噴水があり、散歩をするに はもってこいです。なんと日本庭園もあるのですが、こちらは日本人が見ると「本当はこうではないのだけどな……」という感じでした。まあ、そこはご愛嬌ということで。
今年の聖霊降臨祭月曜日は5月21日で、50周年の特別な年にあたるらしく、円形劇場ではなく、運動場で記念礼拝が行われるようです。興味を持たれた方は www.kirche-bargteheide.deでお確かめの上、お出かけ下さい。また、トレムスビュッテル城の庭園は、1年中解放されていて、誰でも自由に散歩できるようです。ここは天気の良い日のドライブにおすすめのスポットです。
トレムスビュッテル城:www.tremsbuettel.de
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?