ジャパンダイジェスト

湖上に浮かぶ中世の町、ラッツェブルクに出かけよう

ハンブルクの北に位置するシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州は、自然豊かなリゾート地としてドイツ人に人気があります。特にハンブルクに近いラウエンブルク地方は、広大な森林と多数の湖があり、自然を愛する人々には魅力的な地域です。
今回はその地方のラッツェブルク(Ratzeburg)という中世の町をご紹介しましょう。

もともと湖の中に浮かぶ小さな島だったのですが、今では橋が2カ所に築かれ、車で入れますので、あまり「島」という印象はないかもしれません。かつては、ラッツェブルクは東ドイツとの国境で、島の東の対岸は旧東ドイツ(DDR)でした。ハンブルクからですと、ハンブルク交通局(HVV)のチケットの範囲内で行くことができ、1時間強で到着することができます。電車の駅は島の外にありますので、さらにバスに乗って島の中に入ることをおすすめします。町の基礎が築かれたのは11世紀とのことですから、かなり古い歴史があります。5月から9月の毎週土曜日には、9:30から町のガイドツアーが提供されています(大人5ユーロ)。1時間半のツアーで、町を歩いて大体回ってしまいますから、いかに小さい島かお分かりいただけることと思います。島の中に休暇用の宿泊施設やユースホステルもあるのですが、観光地然としてなくて、落ち着いた雰囲気です。古い歴史を感じさせる建造物の最たるものは、ロマネスク様式でレンガ造りの大聖堂でしょう。13世紀の建築で、大きな敷地を有しており、北ドイツ最古のものだそうです。礼拝堂の背後には回廊があり、筆者が訪れた時には、その一室で、近く行われるコンサートの合唱練習が行われていました。中庭の壁には、20世紀の彫刻家エルンスト・バーラッハの作品がかけられています。バーラッハは、ハンブルクの隣町ヴェーデルで生まれていますが、彼の父親がラッツェブルクに住んでいた時期がありました。その家が今は、バーラッハ美術館となっており、彼の作品が展示されています。ほかにも動物を使った社会風刺画パウル・ヴェーバー美術館や郷土博物館もあります。

ラッツェブルク大聖堂
ラッツェブルク大聖堂

大聖堂の中庭にあるバーラッハの作品
大聖堂の中庭にあるバーラッハの作品

何と言ってもおすすめは、船に乗って外から島を眺めることでしょう。ボートやカヌーを借りることもできますし、湖を運行する定期船もあります。グループなら、町のガイドツアーと遊覧船(ケーキとコーヒー付)がセットになったプログラムも申し込めるようです。もしそんなに時間がなければ、島の周囲の水際を散歩して、美しい景色をお楽しみください。


井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
www.nd-jcf.de
www.facebook.com/ndjcf

 
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