ジャパンダイジェスト

vol 4
初めてのフンデシューレ

ジェイク
犬嫌いなジェイク、犬の学校でほかの犬と仲良くできる?

ドイツの犬が落ち着いている理由

ドイツには、「Hundeschule(フンデシューレ)」と呼ばれる、犬のしつけのための学校があります。犬のしつけは、フンデトレーニング、訓練士はフンデトレーナーと呼ばれています。ネット検索してみると、私たちの住んでいる地域だけでも多くのフンデシューレやフンデトレーナーを見つけることができます。日本にも犬の訓練所がありますが、ドイツのフンデシューレは日本の訓練所よりも、さらに身近にあるように感じます。犬を飼い始めたら一緒にフンデシューレに通い、そこで学んだことを家族にも教えます。つまり、犬の学校は、飼い主の学校でもあります。

ドイツの人たちが犬に寛容であるのは、こうしたドッグトレーニングが当たり前にされているという背景もあるようです。見渡してみると、確かにドイツの犬は落ち着いています。飼い主が買い物をしている間、お店の外で犬がおとなしく待っていたり、レストランや電車では、おとなしすぎてそこにいることにすら気づかないときもあります。人間もおとなしく待っている犬に対して、むやみに触ったりちょっかいを出したりはしません。人間と犬、それぞれに暗黙のルールがあるようなのです。

ジェイク、「犬の学校」へ行く

さて、ジェイクはと言いますと、トレーニングなど皆無。ドイツでの慣れない住環境もあり、留守中に吠える、散歩中にほかの犬や人に吠え掛かるという問題行動まで。困り果てた私たちは、家の近くのフンデシューレに行ってみることにしました。グループレッスンなら90分10ユーロ程度ですが、個人レッスンでしかも重要な初回は1時間約100ユーロ。痛い出費ですが、ジェイクの幸せなドイツ生活のためです。

現れたのはひげの男性と優しそうな女性。そしていよいよ男性トレーナーがジェイクのリードを持ちました。ジェイクは怖がって逃げ出そうとします。すると、「ナイン!(ダメ)」と声を掛けながら、リードを素早くビシッと引いて首に少しだけ刺激を伝えます。ジェイクにとっては初めての経験で、怖すぎて腰をぬかさんばかり。私たちの方を見ては「帰ろうよ」と訴えかけてきます。

「この子はどこで手に入れたんですか? お母さんのことは知っていますか?」と男性トレーナー。「生後3カ月のときペットショップで購入しました。家族のことは知りません」そう答えると、トレーナーのお二人は「やっぱりね」と目を見合わせました。日本では、子犬がほかの犬との接し方を学ぶ前に母犬から引き離されることがまだありますが、ドイツでは早いうちに親元から離すのは良くないとされています。また、犬はペットショップでは売っていません。犬を飼いたいときは、ブリーダーか動物保護施設のティアハイムにコンタクトをとるのです。そんなドイツと日本のペット事情の違いをお二人もご存知だったのかもしれません。

飲み込みの早い若い犬と違い、ジェイクはこのとき4歳。トレーニングは長期戦になりそうでした。ジェイクだけでなく、飼い主の私たちにとっても、その意識を変えることは大変なことです。さらに言葉の壁。犬の学校があるとは言うものの、やっぱり根気強い日々のトレーニングの積み重ねが必要なのです。それをドイツ語と英語で行わなければならないという状況に、全くゴールが見えず途方に暮れてしまったフンデシューレ初体験でした。


Jakeジェイクが教える!
ワンコ目線のお役立ちTipp

トリミングサロン
シーザー・ミランマーティン・リュッター(上)、
マーティン・リュッター(下)
ドッグトレーナーのカリスマ

今回は、ボクのお母さんがドイツに来てから欠かさず見ている犬のテレビ番組を2 つ紹介するよ。一つは米国のカリスマドッグトレーナー、シーザー・ミランさんの番組 「 DER HUNDE FLÜSTERER(SIXX)」。問題行動のある犬をたちまちおりこうにしちゃう、犬の気持ちがすごく分かる人なんだ。もう一つはドイツのカリスマドッグトレーナー、マーティン・リュッターさんの番組「DER HUNDEPROFI(VOX)」。優しいお兄さん的存在でボクたち犬や飼い主にアドバイスをしてくれるんだ。

米国とドイツの犬の生活を見ることもできて、どちらもとってもおもしろい番組だよ。二人ともいろんな町をツアーで回ってトークショーまでしてるんだ。ボクも一度会ってみたいなぁ。

 
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