Atelier Wabi Sabiでは、食を通した日独文化交流を目指し、ドイツ料理やパン、和菓子の料理教室を開いたり、イベントで和菓子の販売を行っています。主催のジィヴァノヴィッチりなさんは、ドイツに来たばかりの頃、ドイツ語が分からず苦労した経験から、日本の皆さんに少しでもドイツ生活を楽しく快適に過ごしてもらいたいとの願いで、7年前にAtelier Wabi Sabiを立ち上げました。まずは好きな料理を教えようと料理教室を開いたところ、友達も増え、自身もドイツ生活がもっと楽しくなったと、りなさんは語ります。妊娠中に教室を始めて産後半年で復帰したので、授乳したり子供を遊ばせながら指導にあたっていた時期もあり「自分が出来る範囲で人に喜んでもらおう」と、気が付けば7年も続いていたそうです。
主催のジィヴァノヴィッチりなさん
レッスンは自宅で、4人までの少人数制で開かれます。月替わりのメニューはありますが決まった開講日はなく、参加者が希望レッスンと日時を問い合わせ、開講日を決めるシステムです。参加者に合わせた教室開講なので、忙しい人でも参加しやすいのが特徴。また子連れでも参加できたり、季節外れの食材でない限りはできるだけ希望のメニューにも相談に応じてくれるとのことで、参加者中心のレッスン構成が人気です。
私も自宅で開かれたパン料理教室を見学してきました。人生初のパン作りという人からパン作りを趣味にしている人までさまざまな人達が参加し、各自作業台でゼロから手ごねで生地を作っていきます。ドイツで簡単に手に入る食材を使ったオリジナルレシピで、この日のメニューはプレッツェルとイチゴのパンでした。プレッツェルは家庭でドイツの味を再現できる本格レシピ、イチゴのパンは折り込みイチゴシートも手作りの独自のレシピです。目の前で先生のお手本を見ながら作るので、疑問点はその場ですぐに確認できます。また料理だけでなく日常の素朴な疑問にも丁寧に答えてもらえ、参加者同士もおしゃべりしながら楽しんで作ることができます。家庭的な雰囲気の中、料理を通してドイツ生活やドイツ文化を知ることができ、ドイツでの暮らしに役立つ情報や美味しい食材など、毎日の暮らしを楽しくするきっかけとなる素晴らしい教室でした。
家庭的な雰囲気で楽しくレッスン
9月からは本誌986号で紹介した日本人経営のビオショップ「Distel」で、毎週火曜の昼に個数限定で和菓子の販売を開始。またさらに、りなさんは慈善活動にも力を入れており、Atelier Wabi Sabiの活動に加え、日本文化を発信しながらソーシャルビジネスを推進すべく、新たにMatcharity を立ち上げました。こちらはまだスタートしたばかりですが、日本文化を通して社会貢献を目指す活動を展開していく予定とのこと。今後の活躍に期待したいと思います。
Atelier Wabi Sabi:www.at-wabisabi.com/2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。