ジャパンダイジェスト

ライプツィヒ発アップサイクルのファッションブランドGallanegra

今回はチリ出身のラテン系アーティスト、メリッサの始めたアップサイクルファッションブランドGallanegraを紹介します。Gallanegra(スペイン語でgalloはニワトリ、negroは黒の意味)という名前は、インドネシアに生息する体も内臓も真っ黒で、世界で最も色素の濃い動物といわれている黒いニワトリの「セマニ」に由来します。セマニニワトリの写真を見た時に、魔法や神秘性、雌鳥の希少性や特別性に感銘を受け、ブランドの名前として使うことにしたそうです。

メリッサ自身の作ったブランドを纏ってメリッサ自身の作ったブランドを纏って

メリッサは演劇のキャリアをやめることを決意した後、2018年にチリの祖父母の家にミシンのある小さな工房を造ります。当時は何がしたいのか、何を目指すのかを決めず、古着屋で見つけた洋服を使って独学で縫い方や布の使い方を研究していました。モットーは「服を自分が見つけた時よりもさらに美しい服に変えること、自分の好みに従うこと」。2019年にライプツィヒに引っ越してからは、路上で見つけた廃棄素材や衣類を回収し、新しい価値を付けて、ユニークな作品に作り変えています。

Gallanegraの服は独創的なデザインで、パッチワーク、ブリーチ、刺繡、ドローイングやペインティングなど、さまざまなテクニックが用いられています。全て手作りで、愛とユーモアを交えながら、持続可能な方法で自由に表現したい人々のために、ジェンダーレスな衣服を作り上げているといいます。

メリッサにとってファッションは、表現と創造の主な手段。「アップサイクルに専念するのは、ほかの人にとってはゴミとしか思えないような、すでにあるものから新しいものを生み出し、変化させることに喜びを感じるから。アップサイクルは最終的な解決策ではないものの、より持続可能な衣類の使用方法を人々に知ってもらうための良いツール」とメリッサは続けます。資本主義システムの過剰消費と過剰生産の中で育った世代にとって、アップサイクルは抗議の形であり、世界にポジティブな変化をもたらす方法なのです。

7月に行われたファッションショーでの様子7月に行われたファッションショーでの様子

7月末には野外音楽イベントで、初めてファッションショーを行いました。Mayonese de Luxというブランドと共に1カ月以上かけて準備し、多くの観客の前でブランドを披露。地元のデザイナーとの出会いもあり、初めてのショーは大成功に終わりました。

7月に行われたファッションショーでの様子7月に行われたファッションショーでの様子

ドイツでは街中の至る所で「Zu Verschenken」(あげます)と書かれた箱や棚が見つかります。ドイツで見かけるこのすてきな文化に、さらに価値を付けるというメリッサの取り組みは、デザインされた衣類のようにとてもポジティブで、明るい印象を受けました。

さて、私がレポーターとして記事をお届けするのは、今回が最後となりました。ライプツィヒのローカルな魅力を、皆さんに楽しんでいただけていたならうれしいです。今までありがとうございました!

Instagram:@gallanegra

小見山 郁子(こみやま いくこ)
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。
Instagram : @ponpoco.poco
 
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