2016年にライプツィヒ市議会は、市民の社会貢献へのモチベーションを上げ、民主主義の価値を高めるために、2018年を「民主主義の年」と決めました。2017年の夏には、準備のためのイベントが2回開催されました。
2017年の準備イベントの様子
6月に行われた第1回目のイベントでは、市の職員と市民合わせて80名以上が参加し、すでにある市民によるプロジェクトと新しいアイデアを合わせて142の例が挙げられました。それらは例えば、民主主義について知識を深めるためのセミナーやワークショップの開催、市民活動に移民・難民たちがもっと積極的に関われるような意見交換のワークショプの設定、青少年のプロジェクトに500ユーロの助成枠を作るなどです。8月には第2回目が行われ70名以上が参加。市民の関心の高さがうかがえます。
この「民主主義の2018年」に関連するイベントとは別に、2012年から 「ライプツィヒのこれからを考える - Leipzig weiter denken」という市民参加型のプログラムが都市計画課の主導で行われています。私も何度か参加しましたが、定期的な集まりには大変多くの市民が関わっていて、一般の人たちの都市政策に寄せる意識の高さには感心するばかりです。申し込みさえすれば誰でも参加可能です。
グループに分かれて熱心に議論が展開される
話を民主主義に戻すと、ライプツィヒ市は2018 年に22万ユーロを市民プロジェクトに助成することを決めました。審査する基準としては、①協働性(経験のある団体が新しい小さなグループと組むなど)② 実現性③革新性④持続性⑤新しい対象グループの獲得の5つの項目が設けられています。
今年に入ってからも2回のワークショップが続けて行われ、1月の市議会での最終決議の後で募集要項が公表されました。6週間の応募期間を経て、選考を通ったプロジェクトがいよいよ動き出すことになります。ライプツィヒの「民主主義」が具体的な形でどのように実現されるのか楽しみです。
民主主義の2018年:
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「ライプツィヒのこれからを考える - Leipzig weiter denken」:
「Leipzig weiter denken」でStadt LeipzigのHPを検索
ドイツ建築家協会認定建築家。福岡県出身。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の設計事務所に所属し、10年から「ミンクス・アーキテクツ」主宰。11年より日独文化交流拠点ライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de