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ブレゲンツ音楽祭へ リンダウからフェリーの旅

バイエルン州とオーストリアは長い国境線で接しています。その南西の端に位置するのが、ドイツでも有数の観光地であるボーデン湖です。ボーデン湖はドイツ、スイス、オーストリアの三国にまたがるアルプス丘陵地帯に形成された氷河湖。周辺は果樹栽培などが行われる豊かな自然と美しい小さな町々に囲まれ、アルプスを一望することができる風向明媚な地域です。そして、ドイツから国境を渡ったオーストリアの町ブレゲンツで毎年夏に開催される、湖上オペラでも有名です。今回は、ドイツ側の町リンダウから、このブレゲンツ音楽祭(Bregenzfestspiele)へ向かう、フェリーの旅の模様をご紹介します。

リンダウ港
ドイツ側のリンダウ港から、いざ出港!

ブレゲンツ音楽祭の歴史は、第二次世界大戦直後の1946年から始まります。当時まだ戦争の疲弊から抜け切れていない欧州でしたが、だからこそ何か美しいものを提供しよう、という発想からこの音楽祭は企画されたそうです。有名なクラシックのオペラ楽曲を題材とすることがほとんどですが、演出はモダンで先鋭的。オープンエアで開催されるオペラでは、湖上と夕闇といったロケーションの利点を考え抜いた、幻想的で美しく、かつダイナミックな舞台芸術の世界が繰り広げられ、多くの人びとが夏の一夜を楽しみます。最近は、2年連続で同じプログラムが上演されていますが、2013年と2014年の「魔笛(モーツァルト作曲)」は特に人気が高く、チケットはほぼ完売。延べ40万人の観客が訪れたそうです。

会場へは、もちろん車や公共交通機関でも行けますが、ドイツ側からは、バイエルン州の町リンダウからフェリーで行くのがおすすめです。リンダウはボーデン湖に浮かぶ島にある都市で、湖畔の陸とは橋で結ばれています。ボーデン湖の物流や交通の要衛として中世紀から栄えたため、今でも趣きのある市街地が残っています。町の散策を楽しみながら、オペラ会場行きのフェリー乗り場に向かいましょう。航路はいくつかあるようですが、往復チケットで終演後にリンダウに戻ってくるルートもあります。

オペラ会場
フェリーからはオペラ会場の背後ものぞき見ることができます

フェリーの発着場はリンダウ港です。ここには、ボーデン湖周遊などのルートを提供している様々な観光船も停泊しています。アルプスを眺めながら、さあ出航!私が利用したフェリーは、途中でもう一つの港に寄り、オペラ会場までは約1時間の船旅でした。夏は日が長いドイツですが、ブレゲンツに向かうまでに太陽は徐々に西へ傾き、素晴らしい日没を楽しむことができました。天候にも恵まれたため、遠くからブレゲンツ音楽祭の舞台を眺めることもでき、音楽祭への期待が高まります。そして帰りは、船のデッキで満天の星を眺めながら、のんびりとリンダウに戻ることができました。

今年の音楽祭の演目は、プッチーニの「トゥーランドット」。上演期間は7月20日から8月21日です。

http://bregenzerfestspiele.com

 
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