今年の冬は長かったですね、本当に長かった。明けない夜はない、終わらない冬はない……そう言える日が来ることを信じ、この記事が皆さまのお目に触れる頃には、明るい日が差していることを願いながら書いています。
ロックダウンのなか、ロックされていないのは自然の中くらい。私たちは雪が降る日があればそり滑りを楽しんでいます。シュトゥットガルトより車を30~40分程走らせたところにあるオクセンヴァング(Ochsenwang) という場所に小さな雪の丘があり、そりを楽しむ子どもたちや、その家族でにぎわっています。この丘にはかつての火山の噴出口が近くにあり、その斜面はそり遊びにもってこい。その少し奥に行くと大きめなゲレンデもって通常はリフトも運営していますが、現在は新型コロナ対策のため稼動していません。それは残念ですが、丘を足で登ってそりを滑るのも楽しいですし、雪山で遊んだ後の疲労感も良いですよね。束の間ですが、冬休みの感覚を味わいました。
冬はもう少し続きます
私がドイツに来た2007年の冬は極寒で、マイナス20度が記録された日もあったと記憶しています。バス停のガラスには、雪の結晶の大きいものが形成されていてとてもきれいでした。「寒い」という感覚を超えて、「痛い」という感覚しかなかったのを良く覚えています。そしてそんな寒さのなかを、若い女性たちがミニスカートでさっそうと歩いているのを見て衝撃を受けたのを思い出します(笑)。
今では地球温暖化の影響もあり、ドイツでも気候の変化がみられます。イタリアやスペインの暖かい気候で甘く育つワインのブドウも、今ではドイツでも作ることができると聞きました。ドイツの地球温暖化防止への関心は高く、二酸化炭素の大幅削減を目指す「気候保護プログラム」が発表され、シュトゥットガルトでも気候保護プログラムに多額の予算が組み込まれています。市全体に太陽光発電パネルの導入が検討されており、2025年までに全ての学校に太陽光発電システムを装備する予定で、遅くとも2050年までには気候中立を目指すとか。
そり遊びで気分転換!
温室効果ガスの増加には、二酸化炭素(CO2)を排出する車両などによる排気ガスの影響が大きいですが、自動車メーカーや部品メーカーがひしめくシュトゥットガルトにはつらいところ。もちろん今では各メーカーからさまざまなエコカーが生産され、街中でも多く見かけるようになり、シェアカーなどを利用する人も少なくないようです。その反面、多くの住民は地方公共交通機関の価格が高いと考えているようで、「緑」を愛するシュトゥットガルトの葛藤の日々はまだまだ続くことでしょう。
近頃は異常気象の影響で、3月にドサッと雪が降ることも。今期のそり遊びもまだまだ楽しめるかもしれないな、と密かに目論んでいる私です。
大阪生まれ、東京育ち。在シュトゥットガルト13年。Merz Akademie大学視覚コミュニケーション科卒。語学力を武器に、日本企業のリロケーションをサポートしながら、メディアデザイナーとしても幅広く活躍している。趣味はギターと読書。