ラウター川は、バーデン=ヴュルテンベルク州南部のシュヴァーベンジュラ山脈地域にある、ドナウ川の西42キロの支流です。左右が山に囲まれたロマンチックなラウター峡には、中世の城や城跡など数多く歴史的建造物もあり、またその風光明媚な光景のため、非常に人気のある観光地です。
今回は、このラウター峡に流れるラウター川にてカヌーツアーに参加してきました。ホームページから事前予約が必要で、今回はフンダージンゲンからグンデルフィンゲンまでのおよそ45分で行ける4キロのコースを申込みました。こちらのコースは5~60歳くらいまでの幅広い年齢層を対象としています。
緑の中を流れるラウター川
まずは中間地点となるビチスハウゼンにあるボートハウスで、受付を済ませます。そこから徒歩20分ほど、緑が続くハイキングコースをカヌーツアーの出発地点となるフンダージンゲンまで歩きました。これで準備運動も完了し、一石二鳥です。出発地点では、スタッフがパドリングのテクニックを教えてくれ、いざカヌーが傾いても水深は低いからおぼれないなどの説明を受けました。また、ライフジャケットやパドル、そして貴重品などを入れておく防水タンクを渡してくれます。
木の下をくぐっていく、ワクワク感がたまらない
そしていよいよ入水! 始めはゆるゆると川が流れ、初心者でも問題なく楽しめると思います。少し進むと一瞬急流に入りますが、そのころにはカヌーの操縦にも慣れてきていました。カヌーから見える景色もさることながら、水の音と共に川の流れを感じながらカヌーを楽しむ贅沢さといったら。やがてボートハウスとビチスハウゼン城の遺跡を過ぎて、グンデルフィンゲンに向かって漕ぎ続けます。
透き通った青いトンボが楽しそうに水面を飛び交う様子を見つつ、時々、木でできたトンネルを通るなどして、のんびりと進みます。舵は後方に座る人が主に任されるようですが、先頭に座っていた私も、手で水を掻いたり、左右に体重移動をしたりすることで十分舵を取ることができました。先頭で気を付けなくてはいけないのは、目の前に出没する木々や枝をうまく避けること。前かがみではなく、後ろに体を反らせて避けるので、腹筋が鍛えられそうです。
ボートハウスにはビアガーデンもあります
終盤、ニーダーガンデルフィンゲン城に差し掛かると、まるで最終テストを受けているかのような、急カーブや急流がいくつか続きます。そうこうしているうちに、あっという間にスタッフが待っているゴール地点へ到着しました。できることなら、どこまでもこのまま川を下って行きたい……と思ってしまったほど、気に入ってしまいました。
カヌーツアーが可能な時期は、自然保護との兼ね合いで7~9月と期間限定になっていますが、この期間こそ、山の緑や空の青さを大いに楽しめる時期です。川の流れに一度身を任せてみませんか?
ラウター川のカヌーツアー:www.kanutouren.com/lauter
大阪生まれ、東京育ち。在シュトゥットガルト14年。Merz Akademie大学視覚コミュニケーション科卒。語学力を武器に、日本企業のリロケーションをサポートしながら、メディアデザイナーとしても幅広く活躍している。趣味はギターと読書。