皆さんは、グリーンツーリズムを体験したことがありますか?グリーンツーリズムとは、農村や漁村地域に滞在し、その土地の自然や文化、人々との交流を楽しむという余暇の過ごし方。バカンスをしながら農家体験などもできるので、特に家族連れにも人気です。私も数年前に、イタリアのシチリア島にあるレモン農家で初めてグリーンツーリズムを体験しました。レモンのさわやかな香りが漂う農家でのんびりと過ごすことができて、とっても楽しかったです。
羊飼いのワゴンが置いてあり、中で遊べます
緑の多いドイツ南西部シュトゥットガルトでも、気軽に自然と触れ合い、グリーンツーリズムを体験できる場所がいくつかあります。その中でも特におすすめしたいのが、「デア・ゾネンホーフ」(Der Sonnenhof)です。デア・ゾネンホーフを運営しているヘル家は、もともと1875年からシュトゥットガルトのミュールハウゼン中心部で農家を営んでいました。しかし1943年の空襲により全焼し、一家は再スタートを余儀なくされます。その後、コーンヴェストハイム近くで再開を果たしました。それまで家畜や園芸を中心に営んでいたヘル家でしたが、1980年代からイチゴ摘み体験などを積極的に開始。さらに農家直売もこの頃から始め、今ではデア・ゾネンホーフを支える大きなビジネスとなっています。
デア・ゾネンホーフ内の大きなショップを訪れると、外にはさまざまな草木や色とりどりの鉢植えが並んでいます。ショップの中には、農家で作られた野菜や果物、手作りジャム、はちみつやパスタ、ほかにも地元の食材や雑貨まで、いろいろとそろっています。
そして現在で5代目となるヘル・ルッツさんが、2001年より農家体験、グリーンツーリズムを始めました。小学校での教育的な農家体験も受け入れながら、ウマやウサギ、ヤギなどの動物たちと気軽に触れ合うことができたり、また敷地内に置いてあるトラクターにまたがったり、夏の終わりにはトウモロコシ畑を迷路のごとく歩けるようにしたりと、さまざまなアイデアで訪問者を楽しませてくれます。
敷地内を悠々と散歩する白クジャク
遊び疲れたら、ショップ併設のカフェで一息するのも楽しいです。お食事やケーキ、そしてアイスクリームなどがあるのでリフレッシュできます。小川が流れる広大な公園もあってゆったりと過ごすことができ、また安全綱を付けて歩くアスレチックコースも。子どもの誕生日パーティーや結婚式なども行うことができ、宿泊施設も完備。毎年訪れる度に新しいアトラクションや動物が増えていて、そのことにも驚かされます。
新しく誕生した子ブタたち
最近では、白いクジャクや、誕生したばかりの子ブタたちが加わりました。入場料無料で気軽に訪れられる、シュトゥットガルトのデア・ゾネンホーフ。その魅力は、常に新しいアイデアに挑戦し、またおもてなし精神にあふれるヘル家だからこそと感じています。
デア・ゾネンホーフ:www.dersonnenhof.com
大阪生まれ、東京育ち。2007年末よりシュトゥットガルト在住。Merz Akademie大学視覚コミュニケーション科卒。語学力を武器に、日本企業のリロケーションをサポートしながら、メディアデザイナーとしても幅広く活躍している。趣味はギターと読書。