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大人も一緒に楽しめる日本語絵本の読み聞かせ会

日本で子育てをしていたころ、書店や図書館で行われる「絵本の読み聞かせイベント」によく子どもと出かけました。一緒に物語を聞きながら子どもの反応を楽しみ、また私自身もこれまでに出会ったことのない絵本に巡り会える大変貴重な機会でした。参加するたびに、大人になっても誰かに本を読んでもらうのは心地いいことだなと感じます。気に入った本はそのまま図書館で借り、中には書店で購入するに至ったこともあります。今回は、ちょうど先日2周年を迎えた、ルートヴィヒスブルク市立図書館での日本語絵本の読み聞かせ会について紹介します。

優しい語りに、大人も子ども心が安らぎます優しい語りに、大人も子ども心が安らぎます

2021年にバーデン=ビュルテンベルク州の最優秀図書館(Bibliothek des Jahres 2021)に選ばれたルートヴィヒスブルク市立図書館。市の中心部からアクセスが良く、小さな子ども連れでも、ベビーカーでも行きやすい場所にあります。私が訪れたある日の午後、入口奥にある子ども用の図書室には学校帰りの子どもや親子連れが多く、ふわふわのじゅうたんに寝転んで絵本をめくる子や、座り心地が良さそうなソファで読み聞かせをしている親子の姿が目立ちました。

明るくて開放的なエントランス明るくて開放的なエントランス

ふと目に留まったテーブルには、「新しい絵本が届きました。どうぞご覧になってください!」と日本語で書かれたポップと、数冊の新しい日本の絵本が展示されています。ドイツの図書館は、ドイツ語だけでなく諸外国語のコーナーも充実していていつも感心しますが、こちらの図書館でも国旗のシールを貼るなどして、子どもにも分かりやすいように絵本が並んでいました。その棚に、このたび「日本語/Japanisch」というラベルが新しく設置され、今後さらに日本の絵本が増えていく見込みだそうです。

さて、先述の通りルートヴィヒスブルク市立図書館では二人の日本人女性が月に1回、絵本の読み聞かせ会を無料で開催しています。講師を務めるのは、井上知日子さんと浅野葉子さんです。季節ごとの日本の行事や習慣に関する絵本をはじめ、今日本で注目されている作家の絵本、子どもだけでなく実は大人の心にも響く絵本など。毎回お二人がセレクトして持ち込んだ絵本の中から、参加者が希望する本を読み聞かせてもらうことができるのです。

懐かしい本や新しい本など、思わず手に取ってみたくなりますね!懐かしい本や新しい本など、思わず手に取ってみたくなりますね!

時にはドイツ語に訳された日本人作家の作品を、ドイツ語と日本語の両方で読み聞かせすることも。また聞きに来る人の中には、妊婦のころからの常連さんもいらっしゃるそうです。新しい本だけでなく、人との出会いの場にもなりそうですね。読み聞かせ会の日程については、随時ルートヴィヒスブルク市立図書館のウェブサイトで公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

ルートヴィヒスブルク市立図書館:https://events-stabi.ludwigsburg.de/Veranstaltung/cmx654bb54611cc0.html

グリュッツマン 貴子( たかこ )
おんせん県出身。ドイツ人の夫と、二人の子どもと日独いいとこどりの暮らし。趣味は、( こうじ ) を醸して発酵調味料を手作りすること。世界各地に住む日本人の醸し人仲間たちと共に、糀の可能性を研究する「伝統食クリエイター」としても活動。台所はいつも実験室のようになっている。

 
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