5月25~26日にライラント=プファルツ州のシュパイアーで開催された、日本ファンによる日本ファンのためのイベント「NonkiCon 2024」。開催地シュパイアーは、私の住むマールバッハからは車で1時間ほどのところにあり、11世紀に建てられた大聖堂が大変有名な観光地でもあります。今年で3回目を迎えるこのイベントは、ドイツ国内外から多くの人が訪れ、アニメやマンガ、囲碁や将棋、着物や日本食などを通じて、日本の習慣や文化を紹介するだけでなく、参加者同士の交流や学びの場にもなっていました。
ドイツで人気なマンガ家のDrawing Like A Sirさん
会場を訪れてまず驚いたのは、コスプレイヤーの多さです。思い思いの衣装に身を包み、好きなキャラクターへの愛が溢れる人々を間近で見ることができます。ほとんどの人が今日本で人気なキャラクターのコスプレをしていて、インターネット配信や雑誌を通じてリアルタイムで日本のアニメを楽しんでいるファンが多いことを実感しました。販売ブースでは、選ばれたアーティストたちが各々の作品を展示販売しています。特に目を引いたのは、ドイツで活躍するプロのマンガ家で、インスタグラムで約13万人のフォロワーがいるDrawing Like A Sirさんのブース。近年タブレットで描くマンガ家が増えるなかで、手描きのスタイルを貫いている作者の貴重な原画を見せていただき興奮しました。
コスプレ、とてもお似合いです!
ちょうど会場を訪れた時間には、宮城県から海外ツアー中の「仙台和太鼓
華空楽-K AGURA-」と「SAMURAI APARTMENT」のステージが始まりました。華空楽は、和太鼓、篠笛、尺八などの伝統的な和楽器を使った演奏を披露。続くSAMURAIAPARTMENTは、和太鼓とヴォーカル、DJ、エレキギターを融合させたモダンなスタイルです。両グループとも、オリジナル曲やアニメソングのメドレーで会場を大いに盛り上げ、アンコールを求める声が鳴り止みませんでした。また別棟では、味噌汁や日本茶について体験しながら学べるワークショップ、着物の着付け、コスプレ、マンガの描き方など、さまざまな体験イベントが開催され、参加希望者が長い列を作って待っていました。両日とも10以上のワークショップが企画され、どの回も満席だったようです。
「仙台和太鼓 華空楽-KAGURA-」のステージ
ドイツではほかにも大規模な日本関連イベントがありますが、NonkiConも回を重ねるごとに規模が拡大し、来場者数も増加しているとのこと。主催者は、「地元や近郊のアーティストを中心に、長く愛され続けるイベントに育てていきたい」と語ってくれました。今後も多くの人々に支持され、さらに大きなイベントへ成長していくことをファンの一人として楽しみにしています。
NonkiCon:www.nonki-con.de
おんせん県出身。ドイツ人の夫と、二人の子どもと日独いいとこどりの暮らし。趣味は、糀 を醸して発酵調味料を手作りすること。世界各地に住む日本人の醸し人仲間たちと共に、糀の可能性を研究する「伝統食クリエイター」としても活動。台所はいつも実験室のようになっている。