ジャパンダイジェスト

ワイン畑へ行こう!

今春の天気は決して完璧とは言えませんでしたが、それでも徐々に暖かくなり、季節は夏に向かいつつあります。ぽかぽか陽気の日の遠足には、ワイン用のぶどう畑がお勧めです。シュトゥットガルトには、市の面積の実に2%に及ぶ423ヘクタールのぶどう畑が広がっています。そう、ここは国内有数のぶどう栽培地なのです。ぶどう畑は実際に観光資源として活用されており、観光局は市内のぶどう畑のハイキングルートを8本紹介しています。今回はその1つ、Obertürkheim-Uhlbach-Rotenberg-Untertürkheimのコースをご紹介します。

シュトゥットガルト市内に広がるぶどう畑
シュトゥットガルト市内に広がるぶどう畑

ハイキングと聞くと、山登りや1日で長い距離を歩くことを想像しがちですが、ここは散歩感覚で楽しめます。というのも、コース内のあらゆるポイントに公共交通機関の駅や停留所があり、途中で簡単に乗り降りできるからです。私はバスに乗って、まずUhlbachのワイン博物館に行きました。この博物館は、昨年8月にリニューアルオープンしたばかり。素敵な木組みの家に、2000年来ワイン造りに使われてきた様々な道具が並び、醸造技術や製造法が紹介されています。

ワイン博物館の内部
ワイン博物館の内部

特に印象に残ったのは、高さ2メートル以上もある木樽です。スケールの大きさもさることながら、木の表面に彫られたリレーフ彫刻も実に細かく、教会などでよく見る宗教画とは一味違って、昔の庶民の普段の生活ぶりがよく表現されていました。パネルでは、世界中のワイン生産地域が示されていたほか、ワインの風味を表現する言葉を詳細に分類している表もありました。ドイツ語では「フルーティー」という表現だけでも7種類あるそうで、ワインの風味に関する表現の多さに驚きました。

ビデオ・コーナーでは1960~70年代に掛けて、当地の人々が家族単位で野山を切り開き、徐々にぶどう畑にしていった様子を見ることができました。博物館を見学した後は、ワインの試飲コーナーに立ち寄って地元産のワインで乾杯! ここで10種類以上のローカルワインを楽しむことができます。

ワイン博物館を出て、次に向かったのはRotenbergの頂上にあるヴュルテンベルク廟(Grabkapelle Würtemberg)。途中から風景がどんどん緑になっていき、牧歌的なワイン畑の中へ入って行きます。廟内はあいにく開館時間を過ぎていましたが、この辺りでは一番見晴らしが良い所ということで、霊廟前の庭園からぶどう畑やシュトゥットガルトが一望できました。日本語で「赤い山」を意味するRotenbergの名も、夕日で山が赤く染まることに由来しているのだとか。夕日を堪能してからバスに乗り、また町中に戻りました。

ぶどう畑のハイキングルート
www.stuttgart-tourist.de/weintouren

郭さん郭 映南(かく えいなん)
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。http://kakueinan.wordpress.com
 
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