ジャパンダイジェスト

量り売りスーパーから始める 大都市での持続可能な生き方

「サステナビリティ」「SDGs」などの言葉を、最近よく耳にします。私は2年前に娘を授かり、未来について考える機会が増えました。さまざまな環境問題、地殻変動や異常気象など、娘が生きる未来の世界に不安さえ感じることもあります。それもあって、少しでもこの状況が良くなるように、自分にできることはないかと日々模索しているところです。

量り売りスーパー「Samariter Unverpackt」量り売りスーパー「Samariter Unverpackt」

ベルリンに暮らしていると、この街は特に環境への意識が高いと感じます。そう思わされるものの一つが、量り売りスーパーの多さです。郊外の店舗も含めると8店舗ほどがベルリンに点在しており、各店舗はオーナー同士で情報共有をしたり、互いに助け合ったりしながら連携を取っているそうです。ごみを減らす、環境を考えて生活するといった考え方が、市民の生活に定着していることが伺えます。わが家でも4年前から、包装された商品の購入を控えるようになりました。今回は、いつもお世話になっている、自宅から目と鼻の先にある量り売りスーパーのオーナーであるレネ・ハイデンさんにお話を伺いました。

豊富な品ぞろえにいつも助けられています豊富な品ぞろえにいつも助けられています

レネさんは北ドイツにある小さな街の生まれ。ベルリンに引っ越してきて、フリードリヒスハイン地区で2年前に量り売りスーパー「Samariter Unverpackt」をオープンさせました。気候変動ストライキ「Fridays for Future」をきっかけに気候変動問題への興味関心が高まり、この問題の人為的な側面について深く考えるようになったというレネさん。そこから彼自身、量り売りのお店を積極的に利用するようになりました。そして「なぜ自分の住む地域にも同じような店がないのだろうか」と強く感じ、自らお店をオープンするに至ったそうです。

レネさんは「私自身の行動は、地球全体の環境改善にとってはとても小さなアクションかもしれません。しかし、こうした小さな一歩を誰かが踏み出さなければいけません」と語ります。また「あなたにとって持続可能な生き方とは?」という質問に対して、「まずは、この地球にある生態系が自然に再生できるくらいだけの資源を利用すること。そして、人間がこの地球環境を大きく変えてしまったこと、それに対して想像以上の対策が必要であることを認識することが大切だと感じます」と答えてくれました。

とても気さくで、優しい笑顔のレネさんとても気さくで、優しい笑顔のレネさん

環境問題だけでなく、社会情勢までもが悪化している昨今では、今を生きることで精一杯かもしれません。しかし、少し先の未来のことをみんなが考えられるようになれれば、もう少し人は地球にも優しくなれるのではないかと思います。

Samariter Unverpackt:https://samariter-unverpackt.enfore.com

 
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中村さん中村真人(なかむらまさと) 神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『ベルリンガイドブック』(学研プラス)など。
ブログ「ベルリン中央駅」 http://berlinhbf.com
守屋健(もりやたけし)
ドイツの自動車、ビール、そして音楽に魅せられて、2017年に渡独。現在はベルリンに居を構えるライター。健康維持のために始めたノルディックウォーキングは、今ではすっかりメインの趣味に昇格し、日々森を歩き回っている。
守屋 亜衣(もりや あい)
2010年頃からドイツ各地でアーティスト活動を開始し、2017年にベルリンへ移住。ファインアート、グラフィックデザイン、陶磁器の金継ぎなど、領域を横断しながら表現を続けている。古いぬいぐるみが大好き。
www.aimoliya.com
佐藤 駿(さとう しゅん)
ドイツの大学へ進学を夢見て移住した、ベルリン在住のアラサー。サッカーとビールが好きな一児のパパです。地元岩手県奥州市を盛り上げるために活動中。
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