ジャパンダイジェスト

ビオ農場の見学

フランクフルト郊外に、ドッテンフェルダーホフ(Dottenfelderhof)という農場があります。ここでは、ルドルフ・シュタイナー提唱のバイオダイナミック農法に基づいて作物の栽培や家畜の飼育、チーズやパンの製造が行われており、有機栽培による作物の認証機関の中でも基準が厳しいとされるデメターの認証を受けています。畑や牛舎などは自由に見て回れるということで、農場内を見学しに行ってきました。

敷地内のあちこちに見学者のための案内板があり、農場の様子が分かりやすく説明されています。私以外にも、農場の製品を買いに来た人々が熱心に案内板を読んだり、子どもたちに動物を見せたりと、大変賑わっていました。また、こちらは有料ですが、家畜の飼育体験やハーブ講習などのイベントも盛んで、専門知識を教える農場学校もあるそうです。

乳牛
もみ殻や穂を餌に乳牛を飼育し、排泄物を堆肥にして作物を育てる……といった流れで、
農場内で循環する仕組みになっています

農場内のショップでは、ここで採れた旬の野菜や果物をはじめ、自家製のパンやケーキ、オーガニック・コスメや雑貨などが販売されています。どれも高品質のビオ製品ばかりですが、私のお勧めはパン。表面はカリッと、中はもっちりとしていて、噛めば噛むほど穀物の旨味が口いっぱいに広がります。パンは農場内のパン焼き小屋で作られ、天然酵母を使って14時間も予備発酵させた発酵種を元に、計量から捏ね、焼き上げまですべての工程が手作業で行われています。

自家製パン
約25種類の自家製パンは、毎日パン焼き小屋にある石焼き窯で作られます

粉も、農場で栽培された穀物をここで製粉したもの。薪を使った石焼き窯では、パンを焼く2時間前から木を燃やし始めるそうです。日によって異なる水分量や発酵具合を見極め、温度計もない薪オーブンで焼き上げるというのは、まさに長年の経験がものを言う職人技。同じ窯で、ビオのディンケル小麦を使ったケーキやタルトも焼かれており、美味しそうなものばかりで、どれを買おうか迷ってしまうほどです。

チーズ工房では、農場で飼育された家畜の乳をじっくり熟成させた自家製チーズを中心に、多種多様なビオのチーズを販売しています。私が訪れたときにはカフェも営業中で、ここの農作物や加工品を使った料理、ケーキや飲み物をその場でいただくことができました。

今回の農場見学で、デメター認証を持つ製品がどのように作られるかを確認し、その安全性や質の高さを実感しました。これまで、漠然と「体に良い」というイメージしかなかったビオ製品ですが、今では私もすっかりビオ・ファン。ドッテンフェルダーホフのパンやチーズなどは、毎週木・土曜日にフランクフルトのツァイルで開かれる朝市にも出店しているので、これから毎週通ってしまいそうです。

www.dottenfelderhof.de

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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