ジャパンダイジェスト

夜の歓楽街に響く讃美歌レーパーバーンのKiezkirche

ハンブルクのレーパーバーンといえば、世界的に知られた歓楽街。私たちのイメージでは、きらびやかなネオンサインに彩られたレーパーバーンの街並みと、厳かな教会堂は対極にあるように思います。ところが、普段はストリップショーが行われている場所で讃美歌が歌われ、キリスト教の礼拝が行われているという話を聞き、担当の牧師に取材をしてきました。

通りで人々のために祈るホフマン牧師通りで人々のために祈るホフマン牧師

フランク・ホフマン牧師は、以前から「教会の中に入って来られない人々にこそ、キリストの愛が必要だ」と考え、街を歩きながら路上生活者に親しく声をかけたり、話し相手になったり、彼らのために祈ったりしてきました。その活動がレーパーバーンにまで広がってきた時、彼はディスコやバーのドアマンたちとも親しくなっていったのだそう。やがて人生についての深い話もするようになり、キリストを信じる人も出てきました。しかし日曜の明け方まで働いている彼らが、午前10時からの通常の礼拝に行くのは困難です。

そんなある日、ホフマン牧師は画期的なアイデアを思い付きました。レーパーバーンのほとんどのお店は、日曜日は閉まっています。それならば日曜の夜に、礼拝のために場所を貸してくれないだろうか。彼らにとって馴染みのある場所なら、レーパーバーンで働く人々も気後れすることなく礼拝に来ることができるのではないかと。そこで、ショーのための舞台があるSusisShow Barのオーナーにドアマンを通じてコンタクトしてみると、快くホールを貸してくれることになったのです。

ショー会場での礼拝の様子ショー会場での礼拝の様子

そのような経緯で5年前から始まったこの教会は、Kiezkirche(日本語に訳しにくいのですが、「わが街の教会」とでもいいましょうか)と名付けられ、年4回の礼拝を続けています。参加者のほとんどは「教会は初めて」というレーパーバーンで働く人々ですが、評判は上々。「心が安らぐ」、「自分も受け入れられていると感じる」などの声が聞かれています。ほかにも平日の昼間に、ディスコを会場として定期的に祈りの時間が持たれているそうです。イエス・キリストも遊女や罪人の所に出かけて行き、彼らに神の国の話をしました。既成概念にとらわれず、こういう働きが広がっていけば、素晴らしいと思います。

さて、2007年からこのコーナーを担当させていただきましたが、このたびハンブルクを離れることになり、今回が私の最後の執筆になります。このコーナーを通して私自身、多様なハンブルクの魅力を知ることができました。感謝しています。どこにあっても皆様にキリストの祝福がありますように。

井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
www.nd-jcf.de
www.facebook.com/ndjcf

 
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