ジャパンダイジェスト

今年で創立5周年!エルプフィルハーモニ-

欧州最大の再開発プロジェクトの一環として誕生した、ハ-フェンシティー地区にそびえ立つ不思議なガラス張りの建物。この「エルフィ-」ことエルプフィルハーモニ-は、2017年1月にオープンしたコンサートホールです。当時、その斬新な建築が話題になり、たいていのチケットは全て売り切れ。ハンブルクっ子の間で「エルフィ-にもう行った?」という会話があちこちで聞かれたほどでした。

このエルプフィルハーモニ-は、スイスの建築家グル-プHerzog & de Meuronによって設計されました。お茶やコ-ヒ-の貯蔵に使われていた古い倉庫「カイシュパイヒャ-A」を土台にし、その上に110メートルの新しい建築が据えられました。ハンブルクでは、こうした古い建築を残して現代建築をつなげるというスタイルが結構多いようです。船の帆、波、そして氷山を思わせるデザインのガラス張りの外観に、ハンブルグ港の風景が鏡のように映し出されます。そんな珍しい外観に惹きつけられ、年間多くの観光客が訪れる観光スポットになっています。

港にそびえるエルプフィルハーモニー港にそびえるエルプフィルハーモニー

「全ての人々のために開かれた街の文化的象徴」をテーマとしているエルフィ-は、コンサ-ト客だけでなく、一般の訪問者のためにも開かれています。ホテルやカフェ、ショップがあるプラザや、港のパノラマ風景を満喫できるテラスがあって、いつも観光客でにぎわっています。

展望プラットホ-ム「プラザ」!展望プラットホ-ム「プラザ」!

今年は創立5周年ということで、数々の創立記念コンサ-トやイベントが開催されました。私も創立当初から行きたいと思いつつ、実現せずに5年が経過。ようやくコロナ規制が緩和された最近、オルガンコンサ-トを聴きに、初めてこのエルプフィルハ-モニ-に行ってきました。S バーンか地下鉄に乗り、ハンブルグ港があるLandungsbrücke駅下車。そこから徒歩で10分くらいです。

駅の改札口のようなエルフィーの入り口に入ると、すぐ緩やかな80メートルにも及ぶエスカレ-タ-に乗ります。宇宙船に乗るみたいで、なんだかワクワクしながら昇っていくと、ミーティングポイントの広場「プラザ」に到着。さらに階段を昇り、コンサ-トホールへ。大ホ-ルは、いわゆる「ブドウ畑建築」といわれる様式で、ステ-ジが中央にあり、それを取り囲むようにして客席が段々畑のように並んでいます。音響設備を手掛けたのは、日本人音響設計家の豊田泰久氏です。音響効果のために、壁面に「白い肌」と呼ばれる細胞のような丸い白い板が一面に張り付けられています。

ブドウ畑様式の大コンサ-トホ-ル!ブドウ畑様式の大コンサ-トホ-ル!

さて、私の席はかなり上の段の席でした。ホールの高さは約26メートル。座ってホールを見下ろした瞬間、足がすくんで目まいが……。案内係の方に助けを求めると、すぐに別の席に案内してくれました。まさしく神対応! おかげさまで、ブドウ畑の中でキラキラしたオルガンの音を楽しむことができました。

岡本 黄子(おかもと きこ)
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
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