ある5月の日曜日、まだ暗いうちに起きて、久しぶりにフィッシュマルクトへ行ってきました。眠い目をこすりながら車に飛び乗り、エルベ川沿いの道を港に向かって走ります。
早朝6時、道はガラガラ。あっという間に目的地へ到着しました。車を停めてフィッシュマルクトの入り口へ歩いていくと、大きなかごや買い物袋を提げた人たちとすれ違います。なかには大きな観葉植物を抱えている人も。そう、フィッシュマルクトの見どころは、魚だけではないのです! 野菜や果物、お菓子、ハンブルクのお土産、衣類、おもちゃ、チ-ズやお肉、パン、お花など、あらゆるものがそろいます。
いつもにぎやかなフィッシュマルクト
そしてなんとまぁ、朝っぱらからにぎやかなこと。たたき売りのおじさんたちの声が早朝の港に響き渡ります。1キロほど続くマルクトは人で埋まり、魚の競り会場(Fischauktionshalle)からはライブ音楽が流れてきました。中はビアホ-ルになっていて、朝からビ-ルを飲む人たちでわいわいがやがや。マルクトに訪れる人々は、新鮮なお魚や野菜を買いに来る地元住人、観光客など。さらにその中に混ざって、土曜の夜から近くの繁華街レーパーバーンで飲み歩き、そのままフィッシュマルクトで朝を迎えてビールを飲んでいる強者たちの姿もありました。
新鮮な魚介類
魚屋さんの屋台には大量の魚が所狭しと並び、タコも新鮮そう! 特にウナギの燻製が人気らしく、屋台の前の人だかりがすごかったです。一体どこで採れたのか、スーパーでは見られないような巨大なスイカも。かごいっぱいに入った果物や野菜が約15~20ユ-ロ、チ-ズやハム、サラミの袋詰めは10ユ-ロ。一人暮らしの私にはちょっと量が多すぎますが、とてもお買い得ですね。
巨大なスイカがゴロゴロ
お腹がすいたら名物フィッシュサンド(パンに酢漬けの魚や魚のフライを挟んだもの)や、焼いたソ-セージとスクランブルエッグ、それに温かいコ-ヒ-で朝食はいかがでしょうか。マルクトを見て歩いているだけでも飽きないですし、屋台のおじさんとお客さんのやり取りも活気があって面白いです。
ちなみにハンブルク市は1703年、人々が教会の礼拝にちゃんと出席できるようにと、9時半きっかりに終わらせるという条件でマルクトを許可したといわれています。その名残で、現在でもフィッシュマルクトは毎週日曜の朝5~9時半(11~3月は7~9時半)にオープン。300年以上変わらずに開かれている伝統的なマーケットです。
さて、私の本日の収穫はイチゴ1.90ユーロ、アボカド3個で2ユーロ、サボテン3ユーロ、そしてチュ-リップ花束3.50ユーロでした。早起きしたかいがありました!
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。