ハンブルク日本語福音キリスト教会では、エルプガウ教会で毎週日曜日午後に礼拝などの集会を開いています。そのエルプガウ教会は、年々訪問者が減り、存続の危機にさらされていました。もっと教会の存在を知ってもらおうと、外国人のためのドイツ語コースや、コンサートなどの催し物を企画して、少しずつ地域に根付き始めています。その教会で最近始まったのが、「ニワトリプロジェクト」です!
「皆様のお越しをお待ちしております!」by オルランド
今年の夏頃から、教会の庭で工事が始まりました。毎週日曜日に訪れるたび、少しずつ工事が進んでいて、「一体何をするつもりなのかしら?」と、われわれ日本人は好奇のまなざしで見守っていました。そしてついに完成したのは、ニワトリ小屋とニワトリが自由に歩き回れる広い囲いでした。そして、日本語とドイツ語で「エサを勝手に与えないでください!」など注意事項が書かれた看板もニワトリ小屋に設置されました。
ウーヴェさんのお話に聞き入る人々
さらに9月半ば、ついにニワトリさんたちが引っ越してきました。ボスの雄鶏オルランドを筆頭に、イメルダ、アグネッタと娘のエルサベ、イメルダの娘ウンディーネ、エルサベとウンディーネの異父姉妹のイゾルデ、そしてアマンダ、オクサーナ、エドヴィーナの8羽の雌鶏です。飼い主は、エルプガウ教会員のウーヴェ・ニッセンさん。彼は、ニワトリさんたちと一緒に小屋にいるのが最高に幸せだというニワトリの専門家。母鶏が亡くなってしまったので、代わりにウーヴェさんが、自宅のオーブンに卵を入れて温めてひなをかえしたという、まさにニワトリファミリーのお母さんなのです。ニワトリさんたちは、以前は別の地域の公園で飼われていましたが、そこが手狭になり、教会と協力してここで「ニワトリプロジェクト」を始めることになりました。
ニワトリファミリーのお世話をするウーヴェさん
すでに地元ローカル新聞にも紹介されましたが、「ニワトリプロジェクト」とは、地域の幼稚園や学校などの子どもたちを対象に、ニワトリの習性や生態などのお話や、実際に囲いに入ってニワトリと触れ合う体験学習を提供するプロジェクトです。ウーヴェさん曰く、ニワトリは何世紀にもわたり、人間と共存して来た身近な存在ではあるけれど、まだまだ知られていないことも多いそう。子どもだけでなく大人にもきっと、興味深い発見や驚きがあると思います。これからニワトリを飼育してみたい人にも参考になるでしょう。
そして、日本語教会の収穫感謝祭の時、実際にウーヴェさんをお招きしてニワトリのお話をしていただききました。囲いに入って子どもたちも大喜び。元教師であるウーヴェさんのお話はとっても分かりやすく、子どもたちとの活発な質疑応答もありました。教会と地域を結ぶ架け橋になるニワトリさんたちが、新しい住まいに早く慣れますように!
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。