住居を居心地良く整えることに命を懸けている(?)ドイツの人々は、季節ごとに室内の装飾を変えて楽しんでいます。普段、それを「そこまで凝らなくても……」と横目で眺めている日本人の皆さんの中にも、クリスマス・シーズンだけはドイツ人に倣い、自宅のデコレーションを楽しんでみようと考えている方もいることでしょう。
特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、アドヴェンツカレンダーを手作りすることもあると思います。ほかにもアドヴェンツクランツやクリスマスツリーのデコレーションを、毎年楽しみながら工夫を凝らして手作りしている人が、ドイツにはたくさんいます。日本人が、幼少期に折り紙で遊んだ記憶を持つのと同様に、ドイツ人も「Basteln(組み立て、工作)」に親しみながら育ち、それがクリスマスの伝統と結び付いているようです。
ドイツ滞在中に手作りのクリスマスデコレーションに挑戦したいと思っている方にお勧めなのが、今回ご紹介するお店「idee.」です。ドイツ各地にあるチェーン店で、ハンブルク市内中心部のショッピングモール「Europa Passage」の地下でこのお店を発見したときは、その商品の充実ぶりに興奮したものです。店内は文房具店、画材店、工作材料店、手芸用品店をすべて集結させたような、豊富な品揃えで、このようなお店を的確に表す日本語の語彙は存在しないのではないでしょうか。店名の「idee(ドイツ語でアイデアの意味)」が示す通り、毎回ここに来るたびに想像力が刺激され、何かを作ってみたくなるから不思議です。
Europa Passage内にある「idee.」の入り口。入って右手にあるのが書籍コーナー
店内には、季節にちなんだデコレーションの作品例が展示され、側にはその作品を仕上げるために必要な材料が置かれています。「紙で作るクリスマスの星」や「アドヴェンツカレンダー・アイデアブック」など、作り方が掲載されている書籍・雑誌類も充実しているので、どんなものを作ろうか迷っている方は、まずはそこから物色してみるのも良いかもしれません。寒く、暗く、長いドイツの冬だからこそ、家の中でコツコツと楽しめる工作が、文化として根付いているのだということを実感させられるお店です。
明るい店内。各柱に作品のディスプレイと材料があります
最近、アルトナ地区のショッピングセンター「mercado」の地下にも「idee.」がオープンしました。手作りの工芸品には温もりがあり、眺めたり使ったりしているうちに、なんとも言えない愛着がわくものです。クリスマスに向けて、皆さんも世界に1つしかないオリジナル作品に挑戦してみませんか? そうと決まれば、早速「idee」をのぞいてみてください。お近くのショップは下記ウェブサイトより検索できます。
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?