ミュンヘン市は世界の7都市と姉妹都市提携を結んでいます。姉妹都市を定義する国際的な統一基準はありませんが、一般的には文化・経済的交流やジャンルを問わない親善活動などを目的に、国の異なる2都市の間で結ばれる自治体交流関係を指します。ミュンヘン市との関係が最も古い都市はスコットランドの首都エディンバラで、姉妹都市提携が結ばれたのは1954年。今年で60周年を迎えます。また今年は、フランスのボルドー市(1964年締結、50周年)、米国のシンシナティ市(1989年締結、25周年)、ウクライナのキエフ市(1989年締結、25周年)との関係も節目に当たります。これを記念し、さらに各都市の文化を広くミュンヘン市民に知ってもらおうと、記念イベントが市内中心部のヴィクトアリエンマルクト(Viktualienmarkt)で8月14日まで開催され、私はボルドー市が当地の特産品を紹介するオフィシャルショップに行ってきました。
ボルドーショップの目印はフランス国旗
マルクトの中心近くに立つこぢんまりとしたショップでは、ボルドー産のワインと肉製品を販売。店内には様々な受賞歴を持つ名門ワイナリー「Château Hourtin-Ducasse」のワインや、地元で有名な「Kiki BARUCQ」のハムなどが所狭しと並んでいます。ハムの種類は、保存の利く缶詰入りのものから生ハムまで豊富。ボルドーから来た売り子さんたちの説明を聞きながら、いろいろと試食しました。
美味しいボルドー産のハムを召し上がれ!
また、すでに開催期間は終了していますが、エディンバラ市はバグパイプ演奏やスコティッシュダンス、特産のジンと魚料理を披露し、シンシナティ市はスクエアダンスやフットボールを紹介し、カウボーイも参加するバーベキュー・パーティーを開くなど、郷土色溢れるイベント内容だったようです。ボルドー市の後にはキエフ市が続く予定でしたが、国内の政情不安のために残念ながら参加を見送ったそうです。
これら4都市のほか、ジンバブエの首都ハラレ市(1996年締結)、イタリアのヴェローナ市(1960年締結)、そして日本の札幌市(1972年締結)もミュンヘンの姉妹都市です。今後も世界中の都市同士が平和的に友好を育むことができるよう願いたいものです。
さて、ヴィクトアリエンマルクト近くの聖ペーター教会(St. Peter)では9月7日まで、「エデンの庭(Garten Eden)」と題して教会内に木々をあしらっています。木には、地上と天上を結ぶという象徴的な意味があるそうです。ロマネスクとゴシック様式の美しい装飾に緑が加わり、素晴らしい雰囲気を醸し出しています。マルクトを訪れたら、こちらもぜひのぞいてみてください。
www.muenchen.de/veranstaltungen/event/12045.html
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。