ジャパンダイジェスト

シュトゥットガルト著名人のお墓を歩く

待ちに待った春到来! 暖かい季節には、自然豊かな森の中で新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込みたいもの。そんな時にお勧めなのが、シュトゥットガルト森林墓地(Waldfriedhof Stuttgart)です。墓地と言うと、あまり聞こえは良くないかもしれませんが、ドイツでは森林墓地は公園と同じように誰でも気軽に入って自然に触れることができる場所です。加えてこのシュトゥットガルト森林墓地には、当地に縁のある多くの著名人が眠っており、実はドイツの観光ガイドブックにも載っているほどの観光名所。ここでは散歩がてら、シュトゥットガルト地域の文化や歴史に親しむことができるのです。

森林墓地まではSüdheimer Platz 駅からケーブルカーに乗って行きます。このケーブルカーには2つの名前が付いています。1つはLustige-Witwen-Bahnで、日本語に訳すと「愉快な未亡人号」。もう1つはErbschleicherexpress 、つまり「遺産横領者特急」です。この2つの名前から推測できるように、ケーブルカーはこの墓地のために作られたものです。車両はレトロな趣の木製で、1929年の開通当初から現在までずっと使われています。ただ、見た目とは対照的に、運転システムには2004年から新技術が導入されており、急な斜面でもかなりスピードが出ます。

シュトゥットガルト
シンプルだけど厳かなテオドア・ホイスのお墓

ケーブルカーを降りて墓地の敷地内に入ると、辺り一面に緑が広がり、木や花の香りで溢れていました。この墓地に永眠する著名人の名前が書かれている案内板に従い先へ進むと、かの有名な大企業ボッシュの創立者ロベルト・ボッシュや、西ドイツ初代連邦大統領テオドア・ホイスのお墓があります。さらに奥へ行くと、シュトゥットガルト中央駅を設計した建築家パウル・ボナツやシュタットミッテ街区にある高級デパート、ブロイニンガー(Breuninger)を創業したエドゥアルト・ブロイニンガーのお墓もあり、まさにこの地を代表する各界の名士が勢揃いしているようでした。

シュトゥットガルトに長く住めば住むほど、この墓地で聞いたことのある名前を多く見かけることでしょう。有名人のお墓でなくても、個性的なデザインや彫刻、墓石に刻まれている墓誌銘や故人を追想する詩なども一見の価値あり。「Wenn Du bei Nacht den Himmel anschaust, wird es Dir sein, als lachten alle Sterne, weil ich auf einem von ihnen wohne, weil ich auf einem von ihnen lache.(夜空を眺めてごらん、星たちが笑っている。その中の1つには私が住んでいて、夜空の向こうからあなたに微笑んでいるから)」という言葉もありました。

素敵なお墓を鑑賞したり、物思いに耽ったり、シカやリスを眺めたり・・・・・・ 穏やかな春のひと時を過ごすことができました。

シュトゥットガルト
森林墓地へと向かうケーブルカー

郭さん郭映南(かくえいなん)
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/
 
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