私の街のレポーター シュトゥットガルト Stuttgart

もうすっかり秋ですね。先日私は、シュトゥットガルトの夏の終わりをビーチで過ごしてきました。シュトゥットガルトでビーチ？ 海は遠く、大きな湖すらない街ですから、不思議に思われるかもしれませんが 、その正体は中央駅すぐ近くのデパート、カウフホーフの屋上にあるカフェ＆バー、その名も「スカイビーチ」です。

もともと駐車場の最上階だった場所に、一面白い砂が敷かれ、パラソルやビーチチェア、ハンモック、さらには寛ぐためのベッドが設置されています。心地良いBGMが流れる中、皆さん飲食スタンドでビールやアイスを買って、ビーチでのんびりと過ごしています。私もビールを買ってベッドの上に横たわり、音楽を聴きながら一緒に訪れた友人とマッサージをし合ったりして、日光浴を満喫。あまりにも気持ち良かったため、目を閉じてうとうとしているうちに、あっという間に2時間が経っていました。

遠くにはテレビ塔が見える

ビルの最上階なので、街の喧騒が遠く潮騒のように響き、風もちょうど良い具合に吹いていて、しかも水着姿の人たちまでいて、まるで本物のビーチにいるような錯覚に陥りました。すぐ隣で街のシンボルマークである、中央駅南棟のベンツマークがくるくる回っているというのに、なんとも不思議な感じです。私の周りでは、カップルや仕事の休憩時間にやって来たと思わしき人たちが、それぞれ自分たちの場所を見付けて寛いでいました。普通のカフェと比べてゆったりとした雰囲気なので、周囲を気にせずリラックスできます。飲み物の値段はビール1本3ユーロ程度と少々高めですが、その分、時間制限がなく、存分に長居できるのも魅力です。

昼寝もできるベッドがたくさん

2004年に開業したこのスカイビーチ。ロンドンの有名雑誌にも取り上げられ、欧州の屋上ビーチ・ベスト100に入っているほどの人気ぶりです。毎年夏シーズン（4～9月）は通常営業。日曜には11時からブランチを提供しています。そしてなんと、60人までの貸切パーティーもできるそうです（値段は1250ユーロ～）。冬でも特に天気の良い日はオープンしていて、今年の大晦日の夜も22:00から盛大なカウントダウンパーティーが開催される予定。チケット販売はすでに始まっています（詳細は下記ウェブサイトより）。特別なイベントがないときには入場料は掛からないので、街歩きに疲れたら、このオアシスで一休みしながら憧れのビーチに想いを馳せるというのも一興かもしれません。来年の夏は、皆さんもぜひシュトゥットガルトのスカイビーチへ！

Parkhaus Kaufhof beim Hauptbahnhof
Königstraße 6, 70173 Stuttgart
中央駅から徒歩約3分。屋上駐車場直通のエレベーターに乗ると便利です。
www.skybeach.de

郭 映南（かく えいなん）
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。写真ブログ「その時ひとコマ」http://wasistlos.exblog.jp