日本でも人気のボルダリングは、岩壁や巨石を登るロッククライミングの一種で、シューズと、滑り止め用のチョークという最低限の道具しか使わないのが特徴です。フランクフルトのプロインゲスハイム(Preungesheim)地区にボルダリングを手軽に楽しめる施設があると聞き、開放日(Tag der offenen Tür)に遊びに行ってきました。
建物に入ると、色とりどりの突起物が点在する特殊な壁が目に飛び込んできます。1000㎡のボルダリングエリアに加え、昨年12月にオープンしたばかりの新設コース、小さな子供でも楽しめるキッズスペース、フロアを見下ろす2階のラウンジコーナーなど、広々としたカラフルな空間を前に一気に期待が高まります。
ボルダリング用の靴はレンタルもできますが、この日はお試しなので室内用の運動靴と動きやすい服さえあれば、あとは自由に登るだけ。まずは壁の前に立ち、足場の位置を確認。ホールドと呼ばれる足場は、難易度に応じて色分けされているので、同じ壁でも初心者から上級者まで、それぞれに異なる色の足場をたどることでレベルに合ったコースに挑戦することができます。
レベルに合わせた難易度で、思い思いに壁を登ります
見た目は難しそうですが、初心者コースを選べば初めての私でも簡単に上までたどり着けました。子供の頃にやった木登り感覚でスイスイ上がっていくのは想像以上に楽しく、「これなら大丈夫だ」と思った私は少し難しいコースに挑戦しました。壁の傾斜角度が急でホールドの間隔が広く、どこに手足をかけていいか迷います。腕の力と握力を使い、タイミングを計って足を動かしましたが途中で断念。もし落ちてしまっても、床はクッションマットになっているので安心です。
初心者だと腕の力に頼ってしまいがちですが、足と手の位置、重心移動のタイミングや体のバランスなど、全身の使い方がポイントなのだとか。親切でフレンドリーなスタッフが対応してくれるので、楽しみながら続けることができます。
明るくフレンドリーなスタッフが、親切に対応してくれました
アドバイスに従い、腕をできるだけ伸ばしながら全身を意識して同じコースに再挑戦。手足と身体のバランスを考えながら何とか上まで登ると、何とも言えない達成感がありました。体の動かし方や柔軟性、ボディバランスなど、ボルダリングならではの身体技術を要するのも面白く、思わず夢中になってしまいます。
一緒に行った10歳の息子は私と同じコースを難なく進み、4歳の娘もキッズエリアで何度も壁を登っては、滑り台を滑って遊んでいました。レベルに応じたコース設定で、大人から子供まで気軽に楽しめるのも魅力です。普段使わない筋肉にも適度に負荷がかかり、全身が心地よい疲労感に包まれました。続けて通えばダイエット効果も期待でき、天候にも左右されず一人でもできるボルダリング。人気の理由も納得の楽しい体験でした。
boulder welt:www.boulderwelt-frankfurt.de
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。