7月にハンブルクで大きなイベントが開催され、ドイツ在住の日本語通訳者たちは、このために全国から駆り出されると聞いていましたが、そのイベントとは、96回目となるライオンズクラブの国際大会でした。7月5~9日、世界各国から約2万3000人の同クラブ会員が集結し、日本からも約3000人が参加したそうです。
ライオンズクラブについて調べてみると、1917年に米国のシカゴにて実業団のリーダーたちにより、「仕事のつながりを越えて、地域や世界をより良くするために貢献する」ことを目的に結成されたとのこと。その後、クラブの活動は世界各地に広まり、今では207カ国に計135万人の会員を有する世界最大規模の地域社会奉仕団体となっています。
ライオンズクラブ国際大会は、世界各国の様々な奉仕活動の内容を報告し、情報交換を行うことで、さらに活動を推進して行くことを目指し、毎年開催されているそうです。開催地は毎回、複数の候補地の中から投票で決められており、ハンブルクでは初開催となりました。
6日には、ライオンズクラブと直接関係のないハンブルクっ子も楽しめる「国際パレード」が行われました。同大会の参加者が、自分たちの国の民族衣装などを身にまとい、市庁舎広場から出発して内アルスター湖の周りをパレードしたのです。カーニバルなどの伝統を持たないハンブルクでは、このようなイベントは非常に珍しかったのではないでしょうか。もちろんその区域は通行止めとなり、このイベントのことを知らなかった人も足止めされて沿道には人が溢れていましたが、皆さん興味深げにパレードに見入っていました。
インドネシアの民族楽器「アンクルン」の合奏
今回の国際大会では、クラブの国際会長の選挙も行われたため、候補者を出している国は、大きく名前を書いたプラカードを掲げながら行進していました。それ以外にも、アルペン・ホルンを吹くスイス、獅子舞を披露する台湾、フラメンコの衣装をまとったスペイン、古代ファラオ時代の人々に扮するエジプトなど、その国独自の民族舞踊や文化が披露され、見物者たちを沸かせていました。個人的にはインドネシアの、竹で造られたアンクルンという民族楽器の合奏が興味深かったです。日本勢のパレードはと言うと……残念ながら着物ではなく、皆さんお揃いの紺のブレザーでした。
台湾勢が披露した獅子舞。日本のものとは違っていました
今大会のテーマは「Meet friends in Hamburg」。全世界の人が友人となれば相互理解も深まり、争いも避けられることでしょう。これからも、創立者が目指した地域社会への貢献を実現していってほしいと思います。
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?