「Eis-Zauber(氷の魔法)」と銘打った氷の彫刻展が、2011年11月26日から12年1月29日まで、ハンブルクで開催されています。場所は、中央駅近くのDeichtorhallen前の広場に建つ白いプレハブの建物の中です。
会場に入ると、そこはマイナス7℃の世界。彫刻はすべて氷でできているため、これより温度が高いと解けてしまい、逆に低過ぎると今度は壊れやすくなることから、室内の温度は常に一定に保たれているそうです。冬とは言え、今年のハンブルクはかなり暖冬なので、会場内の空気は冷たく、ピーンと張り詰めているように感じられました。
日本人2人による作品「ベンハーより『戦車』」
入って最初に目に入る彫刻は、ハンブルクのシンボルマークである聖ミヒャエリス教会の入り口の上にある彫刻のレプリカ。教会名の由来である大天使ミカエルが悪魔を倒し、剣を突き付けている像です。本物は教会入り口の扉のはるか頭上にあるので、これまで像の詳細がよく分からなかったのですが、今回の氷の像によって、細部までじっくり眺めることができました。
全20作品の氷の彫刻は、世界各国のアーティストたちが手掛けたもので、中には「ベンハ-より『戦車』」というタイトルの、日本人作者による堂々とした大作も展示されており、訪れる人々が足を止めて見入っていました。これらの作品はそれぞれライトアップされ、光が氷の内側からにじみ出るように工夫されているものもあり、とても幻想的な雰囲気を醸し出していました。
全長35メートルの氷の滑り台
子どもたちのために「Kids Only」と名付けられた遊び場もあり、シロクマやペンギン、エスキモー(もちろん、すべて氷の彫刻です!)と遊べるようになっていました。また、インドアとしては世界最長の35メートルの氷の滑り台も作品の1つとして置かれており、子どもたちだけでなく元気な大人たちも大はしゃぎしながら滑っていました。ただ、かなりスピードが出るようなので、滑る際は注意が必要です。
さらに会場の中には、すべて氷で作られたバー・ラウンジが、これも作品として設置されていました。注文したドリンクは氷でできたグラスに注がれ、氷のソファに座って飲むことができます。氷のソファでは冷たくて、くつろぐことはできないかもしれませんが、このアイデアには脱帽です。彫刻作品という枠を超え、様々な趣向を凝らした作品が展示されている氷の魔法ショーで、幻想的な非日常空間を味わうことができました。
www.hamburger-eiszauber.de
月~金 大人16ユーロ、子ども9ユーロ
土 日 大人18ユーロ、子ども11ユーロ
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?