先日、ずっと工事中だったミヒャエル教会近くの建物の覆いが取り除かれ、美しいレンガ造りの建物が姿を現しました。「いったい何のお店になったのだろう?」と思い、のぞいてみると、それはアパートメントホテルでした。折しもその日の夜、テレビをつけると、最近のハンブルクのホテルについてのニュースで、市内で新しいホテルがオープンすると同時に予約が埋まったとのこと。しかも年内中に、あと9軒のホテルがオープンするというのです。
ハンブルクは商業の盛んな港町として知られていますが、観光地としての知名度は低いように思います。日本の旅行会社が「ドイツの旅」と銘打つツアーは、南ドイツのロマンチック街道、もしくはライン川下りがメインです。ハンブルク市内で観光ガイドが旗を持ち、団体ツアー客を案内している光景はほとんど見掛けないので、ホテル利用者はもっぱらビジネスマンなのだと思っていました。しかし最近は、ドイツ人、あるいは近隣の欧州諸国からの個人旅行者が増えてきているとのこと。しかも、一度ハンブルクを訪れた人はこの町を気に入って、周りの友人にも勧め、また自身もリピーターとなる確率が高いのだとか。「豪華客船がハンブルク港に寄港することも、観光客を引き寄せる要因となっている」そうです。
ミヒャエル教会近くのアパートメントホテル
ハンブルクはドイツ第2の大都市であるにもかかわらず、町の中心にアルスター湖があり、エルベ川が流れ、豊かな水と緑に囲まれた静かで落ち着いた印象です。そういったことから、「住みたい町」についてドイツ人にアンケートを取ると、ハンブルクは必ず上位に入ると聞きます。開催されるコンサートやミュージカル、バレエなど、エンターテインメントのクオリティーは高く、様々な旅行会社によって、ホテルの宿泊とミュージカルのチケットがセットになった滞在プランが企画されています。町の規模が大きく、観光名所が目白押しというわけではないので、ツアーで旅行するというよりは、個人旅行がお勧めの町だと思います。
そのホテルのニュースの数日後、ハンブルクが2024年夏季五輪招致の国内立候補都市に選ばれました。まだ立候補の段階ですが、エルベ川の中洲にあるハーフェン・シティー(Hafen City)は今まさに再開発中ですから、万全の環境で招致できる可能性は大いにあるでしょう。ホテル建設ラッシュの陰には、五輪を見据えた思惑もあったのでしょうか。いずれにしても、私もハンブルクを愛する者の1人として、多くの方がこの町を訪れ、その魅力を発見してくださることを嬉しく思っています。
大部分がまだ工事中のHafen City。
この建物はマンションになる予定
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?